日本ローカーボ食研究会

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症例4 HbA1cの改善につれてLDLコレステロールが下がった症例

アメリカでは、ローカーボ食でLDLが下がらないか、あるいは上昇してもそのLDL蛋白のサイズは大きくなっていること、逆にハイカーボ食ではサイズが小さくなる、したがって動脈硬化ではローカーボ食はハイカーボ食に比べて有利という論文が複数発表されています。

一方、灰本クリニックの4つの臨床研究ではローカーボ食による治療の6か月~12ヶ月間にLDLコレステロールは有意に低下しています(P=0.03レベル)。しかし、どのような患者にLDLコレステロールが下がるのかについての要因解析でははっきり有意なものはありません。つまり、いきあたりばったりです。

症例 57才 男 工場勤務(現場)

現病歴:2009年7月初診。DM歴12年。4年前に2年間DM薬を内服治療歴がありましたが、その後自己中断。たまたま自己血糖測定したら空腹時200mg/dlだったので治療目的で来院。

現症:145/81、62/分、身長162cm、体重62.0kg、BMI: 23.6喫煙なし、飲酒は焼酎水割り2杯/日初診時の血液データ:血糖コントロール:174mg/dl、HbA1c9.8%、インスリン7.12、HOMA-R: 3.1血清脂質: LDL: 169、HDL: 65、TG: 128腎機能:Cr: 0.71, eGFR: 88.4、尿中アルブミン: 4.0mg/g Cr

経 過: ローカーボ食を承諾してくれたので、朝、夕の2食炭水化物制限(2CARD)を開始しました。投薬はなし。HbA1cは開始後の3か月で急激に低下して、一年後にはHbA1cは6.5%となりました。体重はほとんど変化がありませんでした。食事調査では、1579kcal 、P:F:C=21:21:35%、炭水化物量137g/日でした。 一方、LDLコレステロールはスタチンを使わずに169から一年後には114mg/dlまで低下、HDLコレステローは85→65mg/dlへ悪化、中性脂肪は128から一端上昇しましたが、一年後には126mg/dlへ戻りました。 また、血圧の一年後は130~160/88~95で上昇が見られました。

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その後の経過: 二年後には食事療法が甘くなり、HbA1cは悪化して7.0~7.5%が持続。2011年5月からメトグルコを開始しましたが、改善はなく、9月からジャヌビアを追加して経過を見ています。この間もLDLは正常値を維持しています。

対照的にローカーボ食が甘くなると中性脂肪は272mg/dlに上昇しています。体重はほとんど変化がありません。 また、一年後から血圧上昇が持続していたので降圧薬の内服を薦めましたが、受け入れてくれませんでした。2011年2月さらに血圧が上昇したので、説得してアバプロ50mg+ナトリックスで治療を開始しました。現在は家庭血圧測定で120台/70台を維持しています。二年後の尿中アルブミン7.8mg/g Crです。

次回は、HbA1cのコントロールは改善しましたが、LDLが上昇した症例を呈示します。

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