日本ローカーボ食研究会

日本ローカーボ食研究会

設立の趣旨

 日本ローカーボ食研究会は2011年に医師、管理栄養士、薬剤師、生理学研究者などが集まって発足しました。主な目的は、ゆるやかな糖質制限食を2型糖尿病や肥満の治療へ組み込むため安全で有効な指導方法を医療機関や広く一般に啓蒙すること、それに臨床研究を行うことです。これまでに定期的な講演活動、学術集会、症例検討会、学術論文の発刊、啓蒙書の出版​​​​​​​「正しく知る糖質制限食」(2013年 技術評論社)、「ゆるやかな糖質制限食による2型糖尿病治療 -ガイドライン2016-」(2016年 風媒者)、「医師が実践するおいしい糖質オフレシピ216」(2018年 西東社)などを行ってきました。その間、この食事療法は一般に広く知られることになりましたが、未解決の課題はまだたくさん残っており臨床研究による解決が期待されています。また、この会はゆるやかな糖質制限食にとどまらず、食事療法を生活習慣病全域、循環器疾患、呼吸器疾患、癌、認知症や老化など広い分野に活用するために学術的、臨床的な情報を発信しています。

事務局より

新着情報を更新

●第12回日本ローカーボ食研究会学術集会 [今回のテーマ]
メタボからフレイルへ -ローカーボと逆ローカーボ-

NPO法人 日本ローカーボ食研究会 代表理事 灰本 元

 今回のテーマには、すでに2017年に「肥満パラドックス」、2018年「健やかに老いるための高齢者の生活管理」、で議論した“体重と生命の関係”が底辺に流れています。
 メタボリック症候群(メタボ)は肥満が糖尿病と心筋梗塞の発症を増やすという単純な発想でまとめられた概念ですが、そのような患者が果たして死亡リスクが高いのかどうかを無視しています。その上、日本人の主な死因の癌や肺炎なども無視しています。その結果、本当の健康を示していないことが次第に明らかになり重要性は日に日に薄れています。
 糖質制限食はBMI>30の肥満が人口の3割以上を占めるメタボ大国アメリカで登場し、体重と血糖値を下げ、その結果、メタボを予防できるという画期的な治療法なので脚光をあびてきました。ところが、日本人ではBMI>30は人口のせいぜい数%と著しく低く逆にBMI<21の痩せは人口の20%以上、それに欧米の第一の死因が心筋梗塞に対して日本では癌という疾病構造の違いもあって、日本ではメタボの意義は比較的小さいと言えます。当然、それと呼応して日本の糖質制限食は欧米ほど重要ではなくなるでしょう。
 一方、日本の痩せの存在は日に日に重要性を増しています。癌、心不全、慢性呼吸器疾患に罹患した患者が入退院を繰り返し、その度に痩せながら「フレイルになっていくのはどこにでも日常的にある風景です。癌も心不全もフレイル・パンデミックと言えます。
 そのような状況を背景として、私たちはメタボから痩せ・フレイルへ視点を移すべき岐路に立っており、それに合わせてローカーボから逆ローカーボへ、痩せた患者を太らせる、そのような食餌療法の開発が求められているのです。
 今回は“逆ローカーボ”とはどのような食事療法か、それを癌や心不全の臨床現場に応用したときに発生するさまざまな課題、そしてそれを乗り越えるにはどのような対策が必要かなどを幅広い議論できればと考えています。
 

●第12回日本ローカーボ食研究会学術総会日程のお知らせ

 開催日時:2022年3月13日(日)午前10時~13時30分 

新型コロナウイルス流行の影響で、前回に引き続き今回も会場に集まることは難しいと判断し、Webexを使用してWEB配信形式で開催することとなりました。
事前登録制となっておりますので、参加希望の方は下記メールアドレス事務局渡邉まで連絡をお願い致します。事務局渡邉宛:low.carbo.diet@gmail.com 登録締め切り2022年3月9日(木)

プログラム

「メタボからフレイルへ―ローカーボと逆ローカーボ―」

【 開会の挨拶 】今回の学術講演テーマについて 代表理事 灰本 元
【 第1部 】(10:05~11:00)

〈 特別講演 〉
司会:村瀬 孝司
特別講演1「肥満パラドックス 最近の話題―癌、心不全、新型コロナ肺炎」
      灰本 元(春日井市 灰本クリニック 内科 医師) 
特別講演2「グルカゴン、糖新生の基礎」  
      村瀬 孝司(名古屋市中村区 リブラささしまメディカルクリニック 内科 医師)

【 第2部 】(11:05~13:30)各20分
司会:米田 正始
特別講演3「心不全患者に対する栄養管理の現状」
              小栗 光俊(春日井市民病院 循環器 医師)

〈 症例検討 〉
・症例検討1. 「痩せのある心不全患者での問題点」 
          米田 正始(大阪府枚方市 福田総合病院心臓センター 心臓血管外科 医師) 

・症例検討2. 「糖尿病を有するやせた心不全患者への栄養介入」
          大西 歩実(岐阜市 岐阜ハートセンター 管理栄養士)
          
司会:村元 秀行(名古屋市千種区 むらもとクリニック 放射線医、内科 医師)
・症例検討3. 「進行癌患者の栄養指導の課題―ローカーボから逆ローカーボへ転 換した症例を含めて―」
          渡邉 志帆(灰本クリニック 管理栄養士)

・症例検討4. 「短期間に4重複癌の治療を乗り切った患者」
          灰本 耕基(灰本クリニック 内科 医師)

司会:村瀬 孝司
・症例検討5. 「認知症を合併した2型糖尿病の治療」
          小早川 裕之(名古屋市昭和区 小早川医院 内科 医師)

 

皆様のご参加お待ちしております。

●日本ローカーボ食研究会のメンバーによる臨床研究の成果が海外専門誌(Diabetes Metab J May 2021;45(3):390-403)に掲載

Reducing Carbohydrate from Individual Sources Has Differential Effects on Glycosylated Hemoglobin in Type 2 Diabetes Mellitus Patients on Moderate Low-Carbohydrate Diets
「ゆるやかな糖質制限食を実行中の2型糖尿病の患者において、それぞれの糖質源によってHbA1cへの効果は異なっている」
詳細はこちらから(全訳と解説) 

・2021年、私たちのゆるやかなローカーボ食(1)
・2021年、私たちのゆるやかなローカーボ食(2) -糖質を多く含む食品管理から糖質グラム管理へ-
・2021年、私たちのゆるやかなローカーボ食(3) -総糖質量から個々の糖質源の管理へ-
・2021年、私たちのゆるやかなローカーボ食(4) -糖質源によってHbA1cへの影響は全く異なる-
 

●灰本先生の最新論文を掲載しました

【ゆるやかな糖質制限を行っている2型糖尿病患者ではそれぞれの糖質源由来の糖質摂取量減少はHbA1cへ違った効果を持っている】
(Diabetes Metabolism Journal 2020)
詳細はこちらから
 

●「医師が実践する おいしい糖質オフレシピ 216」発刊のお知らせ

LC recipe.jpg NPO法人日本ローカーボ食研究会代表理事 灰本 元先生 監修による待望のローカーボ食(ゆるやかな糖質制限食)レシピ集が発刊となりました。
 本書は生活習慣病予備群や一般の方々が少しでも健康に生きるために、わたしたちがこの十数年間にローカーボ食の臨床研究を積み重ねて到達した、安全で効果的なローカーボ食の方法があちこちにちりばめられており、ゆるやかな糖質制限食、本書では糖質オフのノウハウを満載した一冊となっています。西東社より2018年7月発刊 1,400円+税。
全国の書店でご購入いただけます。

 【発刊にあたり】

 ★レシピ集を使って脂質摂取の増加に成功★
 amazon

 ●灰本先生の最新論文を掲載しました

【糖尿病治療薬を非服用の日本人2型糖尿病患者における炭水化物およびその由来食品のHbA1c値に対する影響】
詳細はこちらから

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海外の注目論文

英論文抄読会(ジャーナルクラブ)とホームページ掲載への経緯

2014年春から灰本先生とじん薬局薬剤師との英論文抄読会(ジャーナルクラブ)がスタートしました。私たち薬剤師の医学的知識、臨床的知識が圧倒的に不足していたことが始まりでした。

> 詳しくはこちら

2019年11月19日

212.高いアルコール消費量は遺伝的および環境要因と独立して男性の41年間の冠動脈疾患死亡リスクの低下と関連する

Higher usual alcohol consumption was associated with a lower 41-y mortality risk from coronary artery disease in men independent of genetic and common environmental factors: the prospective NHLBI Twin Study.
Jun Dai et al. The American Journal of Clinical Nutrition, Volume 102, Issue 1, July 2015, Pages 31?39, https://doi.org/10.3945/ajcn.114.106435

> 過去の論文一覧はこちら

新着情報

2021年12月23日

ゆるやかな糖質制限食を実行中の2型糖尿病の患者において、それぞれの糖質源によってHbA1cへの効果は異なっている

前書き
日本ローカーボ食研究会のメンバーによる臨床研究の成果が海外専門誌(Diabetes Metab J May 2021;45(3):390-403)に掲載されました。昨年すでにAhead-of Printとして公開され、ホームページに全訳を掲載していますが、2021年5月号に掲載となりました。
抄録を掲載して、簡単な解説を加えました。

2021年09月06日

2021年、私たちのゆるやかなローカーボ食(3)-総糖質量から個々の糖質源の管理へ-

灰本 元

 2014年に発表した研究結果を発展するために糖尿病薬(DM薬)を飲んでいない糖尿病患者に薬を使わずにゆるやかな糖質制限食単独で治療する方法を2014年から開始した。ところが、初診時にDM薬を飲んでいない患者は初診患者の半分にも満たないので症例数を集めるのにずいぶん時間を労した。

2021年07月08日

悪玉コレステロール神話が崩れる 第4回 -まとめ-

 ここまでに書いてきたことをまとめると、喫煙や糖尿病などの心筋梗塞のリスクのない日本人ではLDLコレステロール値は少なくとも80-180 mg/dlぐらいが妥当で、180 mg/dl以上が持続する場合は年齢や心筋梗塞の家族歴、頚動脈エコーの動脈硬化の程度を見てスタチンを使うかどうか判断すべきということになります。

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人工甘味料について

2019年04月26日

腸内細菌と病気 その1「腸内細菌を壊す身近な食品と薬」

灰本クリニック 灰本 元

 腸内細菌とは主に小腸~大腸に生息する細菌のことです。口腔内には唾液1mlあたり1億個の細菌が生息していますが、胃ではPH1という強力な酸性のなかで著しく生息数は少なくなり、小腸から大腸に下りるにつれて増加し、大腸では1兆個/便1gに達するといいます。

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医療法人芍薬会灰本クリニック むらもとクリニック 内科・漢方 安井医院