日本ローカーボ食研究会

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定期勉強会 2022年12月

 2022年12月の定期勉強会「第二回症例検討」 医師3人、管理栄養士6人、薬剤師1人が参加。
前回同様、事前に患者さんの身体所見や血液データ、食事日記を送り、症例について考えてもらいました。

 症例はHbA1c:7.7%、BMI:26.8、運動習慣のない2型糖尿病の70代の女性で、グリペミリド0.5mg、エクメットHD1錠とメトグルコ250mgを服薬していました。
 下にあるのは治療開始前の食事日記で、糖質を多く含む食品の糖質量を紫の字で示しました。患者さんは「1日2食しか食べていない」と言っていましたが、昼食後に間食のたこやきや菓子パンの糖質を合わせると約70gあり、1食分の糖質に相当すると考えられます。米が好きで食べるのが楽しみだからやめたくないという希望もありました。  

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①この患者の目標HbA1c値はどうするか ②どの糖質源をどのくらい減らすのか、について議論しました。
 当初、医師の目標はグリメピリドを中止してもHbA1cは7.7%でした。初回の栄養相談にて①患者希望で主食は温存 ②全ての間食由来の糖質(糖質量70g)を中止して糖質の低いおやつ(ピーナツ、ナッツ類)に置き換えるということで患者と合意しました。医師は下歯由来糖質70gの制限はHbA1c1.0%ほど下がるので、その情報を受けた直後に低血糖の予防のためにメトグルコ4錠だけに減量しました。当院ではこのように医師と管理栄養士はその時々で密接に連携し治療にあたっています。間食由来の糖質制限とDM薬の減量を勘案してHbA1cは7%後半か8%前半になるのではないかと予測をたてました。しかし、9月の食事日記では糖質量が約100gも減っていたにもかかわらず、HbA1cは8.4%と予想よりも悪化してしました。DM薬を減らしすぎたのが原因かもしれません。

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 上にある10月の食事日記では、9月には減ったはずの菓子パンや肉まんなど間食が戻ってしまったことをふまえ、①その後の治療方針としてHbA1c7.5%にするためにどのように食事指導をしたら良いか。(私は患者さんの希望で米を温存して間食由来の糖質をほぼ全部制限する指導を行いましたが、思うように間食が減らなかったので)②間食を減らすためにはどうしたらよいのかについて意見を出し合いました。管理栄養士から「菓子パンは絶対にやめてもらう」、や、「間食を減らしてもらうために最初から全部ではなく、徐々に減らしてもらう」などの意見が出て、間食を全部止めるという方針は無理があったと反省しました。体重を増やす副作用があるグリメピリドを中止してさらにローカーボを行ってもHbA1cが改善せず体重も変わらないこと、この年齢の女性にしては糖質の種類の多さなどから糖質に嗜癖がありそうなので過少申告をしている可能性もあるとの
意見も出ました。糖質量の過少申告をする方は多いので、本当のことを話してもらえるよう信頼関係を創ることが大切だと感じました。
 最後に管理栄養士と医師の連携についての話題となって、医療機関によっては医学的意見だけでなく愚痴まで話せる関係が密な施設もあれば、管理栄養士が孤立している施設もあることが分かりました。 

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