日本ローカーボ食研究会

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第15回定期勉強会の印象記

2019.10.26灰本クリニック勉強会

今回は渡辺クリニック管理栄養士2名、灰本クリニック医師2名、管理栄養士3名、薬剤師2名、小早川医院1名の参加でした。

内容:悪糖度について
   ~糖質源を考慮した効率的な糖質制限食~

私たちローカーボ食研究会においては「緩やかな糖質制限」を推奨してきました。
それは長期的な厳しい糖質制限は血管障害発症が懸念されるため。

そして今まで日本ローカーボ食研究会が臨床現場において取り組んできたことが以下のとおり。

初めのころ・・HbA1cの重症度に応じて糖質制限を層別化
       

初診時のHbA1c(%)  糖質制限の方法
7.4%以下 週4回夕食(0.5CARD)
7.5~8.9%  毎日夕食(1CARD)
9.0~11.9%  毎日朝食と夕食(2CARD)
12.0%以上  毎日3食(3CARD)

 

そして次の段階へ
そもそも、各患者が初診の段階で食べている糖質の量が違う!
どれくらい数値を改善したいかで減らす糖質の量を考慮する必要がある
ということで、、、
グラム管理へ・・HbA1cを0.5%下げたい!  →糖質‐70g
        HbA1cを1.0%下げたい!  →糖質‐120g
        HbA1cを3.0%下げたい!  →糖質-160g

更に次の段階へ
患者さんの中には上記の管理ではHbA1cが下がりすぎてしまう方も出てきた!
一概に糖質を減らすにも、患者各々で糖質の中身を確認する必要が出てきた。

どんな糖質を良く食べていたのか?そしてどんな糖質を減らしたのか?


灰本クリニックでは医師、管理栄養士らの研究グループから近々、膨大な数値を検証した研究成果を投稿されるとのこと。
食品成分表にもあります、約18000もある食品を細かく分類され研究されていました。

今回私が参加した勉強会ではその内容をお話くださいました。
一番印象に残った言葉、冒頭にも書きましたが面白い造語をされたようで、、、
「悪糖度」(食べ物においての悪党のイメージです)
いかに血糖に影響のある糖質を知り、食することが大切か!
糖質の中身を考えることが出来れば無駄に糖質を減らすことは無いのです。

米、パン、麺、果物、菓子、ソフトドリンク、乳製品など糖質源の種類によってHbA1cに与える影響が異なるのではないか、という仮説を立てて、その証明のために臨床研究を行っています。

糖質源にこだわった研究がほとんど無いことに注目された灰本先生。
この研究が世に発表されたとき、また一つ糖質制限においての有効なエビデンスが私たちの指導の裏づけになることと感じます。
そして私たちの医院でも取り組んできたことが患者様の数値改善につながる指導ができていたことを同様に感じました。

今回の糖質制限の研究に関する具体的な内容はまだ投稿前ですのでお話できませんが
今後の患者様指導のお役に立てることと思っています。

また、名大名誉教授 加藤 潔先生からは
柔らかい炭水化物+塩味
は体内で糖を効率よく吸収するというお話をしていただきました。
アミラーゼの攻撃を受けやすい形になっている炭水化物はブドウ糖に分解されやすいとうこと。
上記のキーワードにもつながる内容で学ぶ事が出来ました。

このような勉強会に参加できたことに感謝し、日々学ぶ事の継続がいかに大切かを再度認識しました。
今後も多くの医療従事者の方に参加いただけたらなと思っています。

その集大成となる学術総会が2020年3月8日(日)に開催されます。
ぜひご興味のある方は日本ローカーボ食研究会までお問い合わせいただければと思います。

小早川医院 管理栄養士 江口まどか

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