日本ローカーボ食研究会

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糖尿病の重症度に応じた炭水化物制限の層別化

2008年から2010年の糖尿病新患患者124人にゆるやかローカーボと厳しいローカーボという二つの層別化で治療を行ってみました(Reduction in urinary albumin excretion with a moderate low-carbohydrate diet in patients with type 2 diabetes: a 12-month intervention.Haimoto H, Sasakabe T, Umegaki H, Wakai K. Diabet Metab Synd Obest July 2012)。ゆるやかローカーボは夕食のみの炭水化物制限(1CARD)でHbA1c<9.0%(JDS)の患者に、厳しいローカーボは原則、朝と夕食の炭水化物を制限(2CARD)してHbA1c≧9.0%の患者に適応します。その結果を表に示します。

stratification_of_carbohydrates_intake2.gif

治療開始前のゆるやか群のHbA1c7.3±0.7%(JDS)、空腹時血糖値138±35mg/dl、HOMA-IR2.5±1.8、一方の厳しい群ではHbA1c10.6±1.2%、空腹時血糖値208±53mg/dl、HOMA-IR4.4±3.5でした。この二群の重症度は大きく異なっています。
ローカーボによる治療を開始して約6か月後の食事調査では、ゆるやかローカーボ群(101人)では平均の総摂取エネルギー/日1716kcal、炭水化物量/日170g、炭水化物率40%、P:F:C=19:36:40%の食事を食べていました。

一方、厳しいローカーボ群(23人)では、初診時の平均の総摂取エネルギー/日=1770kcal、炭水化物量=140g/日、炭水化物率=33%、P:F:C=20:42:33%の食事を食べていました。
1年後の平均HbA1cはゆるやかローカーボ群で6.6%(差は-0.7±0.7%)、厳しいローカーボ群では7.0%(差は-3.6±1.4%)でした。開始前のHbA1cは大幅に異なっても、両群とも目標の7.0%未満をほぼ達成していました。この間、二つの群では共に糖尿病薬は減っていました。

この方法から明らかになったことは、
1.HbA1cによる重症度に応じて、炭水化物制限を厳しいあるいはゆるやかに設定すれば、HbA1c<7.0%を到達できる。
2.軽症に無駄な炭水化物制限をすべきではない。
3.この研究では重症度をHbA1c9.0%以上と未満の二層化し、炭水化物制限も二層化で行ったが、将来的にさらに細かく層別化することによって患者個々の重症度に綿密に対応が可能と予想している。

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