カエデ糖の歴史2
みんなでメープルタフィーを作っている風景
Erabliere du Lac-Beauportのホームページより
http://www.erablierelacbeauport.com/
メープルタフィーはこんな風に食べる
Erabliere du Lac-Beauportのホームページより
http://www.erablierelacbeauport.com/
サトウカエデの樹液は、2–4月の春先、寒暖の差が最も大きくなる季節に、直径 30 センチメートル以上の樹の幹に、直径1cm,深さ4cmくらいの穴を数ヵ所あけて,管をさし込み,その先端にブリキ缶をつるして採取します。採取した原液(メープルウォーター)には2%–2.5% の糖分が含まれ、季節によっても異なりますが、1本の木から約 40–80 リットルの樹液が採れます。1リットルのメープルシロップを作るためには40リットルの樹液が必要になるのですから、とても大量生産はできません。奴隷やあくどい貿易の結果出現した砂糖産業とは全く趣を異にします。「心温まる」砂糖と言えましょう。ちなみに、日本のメープルシロップ・シュガー輸入量は、2010年に3015トンでした。
日本のカエデ糖
サトウカエデは、明治時代以降に日本に移入されました。しかし、樹液採取はあまり行われず、もっぱら街路樹として用いられました。一方、木材としては非常に堅牢な材質のため、家具や床材などに用いられてきました。
ところで、実は、日本に自生するイタヤカエデからもメープルシュガーを作ることは可能なのです。第二次世界大戦直後の砂糖不足の時代に東北や北海道で製造が試みられたことがあるのですが、商業ベースには乗らずに終わってしまいました。
しかし近年になって、「村おこし」の切り札として再登場してきています。砂糖を含む樹液を有するのは、サトウカエデ、イタヤカエデのほかにも、オオモミジ、ウリハダカエデ、ヒナウチワカエデなど他のカエデ科の樹木があります。特にイタヤカエデは糖の含量が多く(もちろんサトウカエデより少ない)、頑張ればメープルシロップが取れるのです。
秩父市は、地域をあげて和製メープルシロップの生産に取り組み、数多くのお菓子に用いて大きな成果を上げています。他にも山形県金山町、新潟県村上市、宮崎県椎葉村、北海道美幌町、北海道白糠町などがイタヤカエデからメープルシロップを作っています。また、長野県木島平村のように、サトウカエデを植樹しているところもあり、今後、メープルシロップはますます注目を浴びるでしょう。
最後に、メープルシロップとはちみつと上砂糖の栄養含量の違いの表を載せておきます。
可食部100g当たりの成分値です。カルシウムやカリウム、マグネシウムなど、ミネラルの多いのが目を引きます。
メープルシロップの成分値:2017年9月現在のカナダ・ケベック州産メープルシロップの平均値
はちみつ・上白糖の成分値:日本食品標準成分表2015年版(七訂)
ケベック・メープル製品生産者協会のホームページより
http://maplefromcanada.jp/wellness/