第7回NPO法人日本ローカーボ食研究会学術総会の新しい試み
代表理事 灰本 元
第7回NPO法人日本ローカーボ食研究会学術総会を2017年3月11日(土曜日)午後3時30分~7時の日程で開催します。
日本ローカーボ食研究会が発足してすでに7年以上経過しています。その間、いろいろな課題はあるものの、医療関係者に“ゆるやかローカーボ(糖質制限食)”が少しずつ浸透しているように思います。とくに厳しく制限すると死亡危険度が上昇するという2010年の大規模長期観察研究(ハーバード大学)をいち早くHP上で紹介し、さらに医療関係者に向けて「正しく知る糖質制限食」(技術評論社)を出版しました。この活動によって、ローカーボの利点と弱点を科学的に示して医療関係者へ民間療法としての厳しい糖質制限への警告を含めた安全で有効なローカーボの啓蒙がある程度達成できたと考えています。さらに最近発刊した「ゆるやかな糖質制限食による2型糖尿病治療ガイドライン2016」(風媒社)は、“ゆるやかな糖質制限食”を中心に据えて2型糖尿病の治療全般を簡潔にまとめ、生命進化の視点を織り込んだ糖質の代謝論的特徴の考察から糖質制限方法の実際までを集学的に記載しました。
今回の学術総会は、1)土曜日午後の開催、2)株式会社MSDとの共催という今までとは異なった方法を採用しました。その理由は、数年前から学術集会とほぼ同月に開催されているMSD主催の「名古屋生活習慣病フォーラム」で私たちのローカーボ臨床研究の講演に毎年かなり多数の医師が参加されていたにもかかわらず、NPO主催の学術集会では医師への宣伝や勧誘がうまく機能していなかったためです。そこで、今回の学術集会は、MSDとの共催により「名古屋生活習慣病フォーラム」と一体化し、医師がより参加しやすい土曜日を開催日とし、医師への広報・宣伝を強化することにいたしました。
学術総会の内容は、
●特別講演 1
「ゆるやかな糖質制限食による2型糖尿病治療 ガイドライン2016 ~要点と解説~」
●特別講演2
「肥満パラドックス」 ~糖尿病、大血管障害、癌における体重と生命予後の関係~
●症例検討 ・パネルディスカッション
「体重と生命予後を考えさせられた症例」
いずれも時代を先取りした斬新なテーマで、私たちNPOの特徴が十分に発揮でき、「名古屋生活習慣病フォーラム」としても相応しい内容を準備いたしました。医師、管理栄養士、食品関連会社、製薬会社、研究機関、学生など幅広い方々と議論できることを楽しみにしています。友人の方々もお誘いあわせのうえ是非ご参加ください。