論文要旨和訳2014年6月②
「日本人男性および女性における米の摂取量と2型糖尿病:JPHC 前向き研究1-3」
Akiko Nanri, Tetsuya Mizoue, Mitsuhiko Noda, Yoshihiko Takahashi, Masayuki Kato, Manami Inoue, and Shoichiro Tsugane for the Japan Public Health Center–based Prospective Study Group
背景:精製した炭水化物は、糖代謝を悪化させると示唆されている。しかし白米(それは日本人にとって主要な主食である)の摂取量の高い人において2型糖尿病の発症リスクを増加するかどうかは分かっていない。
目的:私たちは白米の摂取量と2型糖尿病の発症危険度との関連性を前向きに調査した。
方法:対象者はJPHC前向き研究の第2期調査に参加した糖尿病既往歴のない45-75歳の25,666人の男性および33,622人の女性であった。私たちは147品目食物摂取頻度調査票を用いて食物摂取量を確認した。オッズ比は5年以上2型糖尿病であると内科医に診断された人について、ロジスティック回帰を用いて評価した。
結果:合計で1,103件の新規2型糖尿病の症例が自己申告した。女性において米摂取量と2型糖尿病のリスク増加の間に重要な関連が見られた。米摂取量の最も低い群を1.0とすると最も高い群の多変量調整後オッズ比は1.65(95%CI:1.06、2.57;P=0.005)であった(補足:この研究では全体を等間隔(症例数)の4群に分けて解析されています。)。男性では積極的な身体活動を行っていなかった人に関してわずかな陽性の関連があったが、全体的には関連は示されなかった。(P=0.08)
結論:日本人女性において、白米の摂取量の高い人ではその摂取量と2型糖尿病の発症危険度の増加に関連があった。積極的な身体活動の乏しい男性での米の消費量と正の関連を示唆する所見は、さらなる詳細な調査を行うに値する。
Am J Clin Nutr 2010;92:1468–77.