日本ローカーボ食研究会

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論文要旨和訳2014年6月①

2014年6月 No.1

「米の消費量は日本人男性および女性において脳心血管疾患の罹患率や死亡危険度に関係していない;大規模な人口ベースの前向きコホート研究1-3」
Ehab S Eshak, Hiroyasu Iso, Kazumasa Yamagishi, Yoshihiro Kokubo, Isao Saito, Hiroshi Yatsuya,Norie Sawada, Manami Inoue, and Shoichiro Tsugane


背景 : 米の消費量は2型糖尿病のリスクと関係しているが、脳心血管疾患(CVD)との関係は限定されている。

目的 : 我々は米の消費量と日本の人口におけるCVD発生率、死亡危険度との関連を検討した。

方法 : この研究は米の消費量を5年ごとに3つの自己管理食物頻度アンケートから決定し、40-69歳の日本人男性および女性91,223人に対して前向き研究を行った。CVD発生率の追跡期間はコホートⅠが1990年から2009年、コホートⅡが1993年から2007年でありCVD死亡危険度の追跡期間はコホートⅠが1990年から2009年、コホートⅡが1993年から2009年であった。CVD発生率およびその死亡危険度は累積平均コメ消費量を五分位(Q1~Q5)に分けてそれぞれ計算した。

結果 : 我々は15-18年の追跡期間中に、4,395件の脳卒中の発生、1,088件の虚血性心疾患(IHD)の発生および2,705件のCVDによる死亡を確認した。米の消費量は脳卒中およびIHDの発生リスクには関係がなかった。米消費量の五分位の最低位Q1を1.0とすると最高位Q5の多変量死亡危険度(95%CI)は全脳卒中で1.01(0.90、1.14)、IHDでは1.08(0.84,1.38)であった。同様に米の消費量とCVDによる死亡危険度との間に関連は認められなかった。全CVDの死亡危険度(95%CI)は0.97(0.84、1.13)であった。これらの結果は性別およびエンドポイントにおけるBMIでの修正を行っても結果は変わらなかった。
 
結論 : 米の消費量はCVDの罹患率や死亡危険度とは関係していない。

Am J Clin Nutr doi: 10.3945/ajcn.113. 079038.

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