日本ローカーボ食研究会

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67.骨格系、血管系、癌に対するビタミンDの効果

骨格系、血管系、癌に対するビタミンDの効果:連続的メタ解析
The effect of vitamin D supplementation on skeletal, vascular, or cancer outcomes: a trial sequential meta-analysis
Mark J Bolland et al. Lancet Diabetes Endocrinol 2014; 2: 307–20 doi.org/10.1016/ S2213-8587(13)70212-2

背景:ビタミンDの不足は多くの疾患と関連しており、それが幅広いビタミンDの補足的摂取の需要を導いている。一部の研究者は数々の疾患に対するビタミンDの効果を検証するためにより多くの臨床試験が必要であることを示唆している。

方法:これまでの研究結果に基づいて、今後行われる臨床試験から見込まれるビタミンDの効果を調査するためにカルシウムを併用した試験も含めたビタミンDの補足的摂取に関する既存のランダム化比較試験の連続的メタ解析を行った。心筋梗塞、虚血性心疾患、脳卒中、脳血管障害、癌、大腿部頸部骨折、総死亡について、リスク低下の閾値を死亡率で5%、その他のエンドポイントで15%としてビタミンDの効果を評価した。

結果:心筋梗塞と虚血性心疾患(9試験48167人)、脳卒中または脳血管疾患(8試験 46431人)、がん(7試験 48167人)すべての骨折(22試験 76497人)に対するカルシウムの併用を含めたビタミンDの補足的摂取の推算した効果は無益境界域にあり、ビタミンDの補足的摂取はこれらのエンドポイント全ての相対危険度に変化を与えないことを示している。またビタミンD単独では腰椎骨折を15%以上減らすことはなかった。カルシウムを併用したビタミンD摂取は施設入所の患者(2試験 3853人)では腰椎骨折を減少させたが、地域住民(7試験 46237人)では腰椎骨折の相対危険度を15%以上変化させなかった。カルシウムの併用を含めてビタミンDが死亡危険度を減少させるかどうかについては確定していない。

解釈:この研究結果によってカルシウム併用の有無に関わらずビタミンDの補足的摂取は任意に抽出した地域住民において骨格系、非骨格系アウトカムを15%以上減少させないことが示唆された。同様のデザインで更に試験を行ってもこれらの結果を覆す可能性は低い。

読後感想:今回読んだ論文はビタミンD3の有用性をメタ解析で評価した研究で、骨折予防のアウトカムだけでなく血管系疾患および癌についてもメタ解析した内容となります。
 結果はビタミンDは骨折、血管系疾患、癌、総死亡において十分な有用性を見出すことができませんでした。
 さらに驚くべきことは、ビタミンDが有用性を見出した試験は1983年~2005年での期間であり、2005年以降は十分な有用性を得ることができていません。これは2000年以前に行われたさまざまな臨床試験は事前登録制度がなかったゆえに何らかのバイアスがかかっている可能性があると言えます。 今回の結果を受けて、過去に有用性が認められて承認を受けた薬剤は、もう一度見直す時期に来ているようです(木原 丈晴、灰本 元)

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