日本ローカーボ食研究会

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208.1990年と2016年の世界・地域・国別の脳卒中の生涯リスク

Global, Regional, and Country-Specific Lifetime Risks of Stroke, 1990 and 2016.
The GBD 2016 Lifetime Risk of Stroke Collaborators
N Engl J Med 2018; 379:2429-2437 DOI: 10.1056/NEJMoa1804492

和訳

【背景】
 脳卒中の生涯リスクは、限られた一部の人々でのみ予測されている。我々は主要な病気の有病率の包括的な研究データを使い地域・国・世界レベルで、脳卒中の生涯リスクを推定するため調査した。

【方法】
 我々は、Global Burden of Disease(GBD) study 2016における脳卒中発症の推定値と他の原因による死亡の競合リスクを用いて25歳以上の成人での脳卒中、脳梗塞、脳出血の初めての発症に対する累積生涯リスクを算出し、1990年と2016年の生涯リスクの推定値を比較した。各国をGBD研究で用いられたSDI(社会人口統計学的指標)により五分位に分類し、その五分位にわたって比較した。比較には点推定および推定値の2.5から97.5百分位に相当する不確実区間を用いた。

【結果】
 25歳以降の脳卒中の世界的な生涯リスク推定値は24.9%(95%CI、23.5-26.2);男性では24.7%(23.3-26.0)、女性では25.1%(23.7-26.5)であった。脳梗塞のリスクは18.3%であり、脳出血のリスクは8.2%であった。高いSDI、中の上のSDI、低いSDIの国々における脳卒中の生涯リスクの推定値はそれぞれ23.5%、31.1%(最高リスク)、13.2%(最低リスク)であり、これらの各分類で95%不確実区間は重複することはなかった。GBDの地域別に見ると、脳卒中の生涯リスク推定値が最も高いのは東アジア(38.8%)、中央ヨーロッパ(31.7%)、そして東ヨーロッパ(31.6%)であり、最も低いのはサハラ砂漠より南部の東アフリカ(11.8%)であった。世界的な脳卒中の生涯リスクは1990年の22.8%から2016年の24.9%に上昇し、相対的に8.9%(95%CI、6.2-11.5)増加した。この推計では脳卒中以外の原因による競合の死亡リスクを考慮した。

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【結論】
 2016年における25歳以降の世界的な脳卒中の生涯リスクは男女ともにほぼ25%であった。脳卒中の生涯リスクには地理的な差があり、特にリスクが高かったのは東アジア、中央ヨーロッパ、東ヨーロッパであった。

【読後感想】
 1990年はまだ降圧治療などが完全に浸透していなかったので脳卒中のリスクも高く、最新の2016年のデータでは降圧治療の恩恵で脳卒中は少なくなっているものだと思っていた。しかし論文を読み始めたら2016年の方が脳卒中リスクは高かった。予想と異なる結果に驚くばかりだが、2016年の方のリスクが高い原因は何だろうと考えたが、運動量の低下なのか、ストレスが増えているのか、今後はリスクが増えた原因を調べる研究が出てくると面白いなと思いました。また東アジアで生涯リスクが高い原因は中国で1国だけこの地域ではリスクが高い。日本は生涯リスクが17.0-22.9%でそれほど高くはない。北半球でリスクは高め、南半球でリスクは低めの傾向を考えると気温は大きな原因の一つと考えられる。日本は冬になればかなり寒くなり脳卒中リスクも上昇しやすいのでしっかりと血圧管理をする必要がある。

(薬剤師 松岡武徳)

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