日本ローカーボ食研究会

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26.日本人男女における低炭水化物食と2型糖尿病のリスク

日本人男女における低炭水化物食と2型糖尿病のリスク:JPHC前向き研究
Low-Carbohydrate Diet and Type 2 Diabetes Risk in Japanese Men and Women: The Japan Public Health Center-Based Prospective Study
Akiko Nanri.et.al  PLOS ONE | DOI:10.1371/journal.pone.0118377 February 19, 2015

目的:低炭水化物食スコアと2型糖尿病のリスクとの関連についての根拠はまばらで矛盾しており、炭水化物の消費が多めのアジア圏においてその関連について前向き研究での検討はされていない。我々は前向きに、2型糖尿病リスクと低炭水化物食スコアの関連を調べた。

方法:参加者はJPHC前向き研究第二期に参加した、糖尿病の既往のない45~75歳の男性27,799人と女性36,875人であった。食事摂取量は食物-頻度アンケートを用いて確認し、低炭水化物食スコアは全炭水化物、脂肪、及びタンパク質の摂取量から算出した。高動物性タンパク質や脂肪、高植物性タンパク質と脂肪それぞれについてのスコアも計算した。5年間で臨床家によって2型糖尿病と診断され、自己申告した人のオッズ比を、ロジスティック回帰を用いて推定した。

結果:5年の観察期間中、1,191人が新たに2型糖尿病になったと自己申告された。
総タンパク質と総脂肪の摂取が多いのに比して低い炭水化物摂取のスコアが、女性において大幅に2型糖尿病のリスク低下に関連していた(trend P<0.001)。スコアを5群に分け比較すると、スコアの最も高い群の2型糖尿病多変量調整オッズ比は、最も低い群のものと比較して0.63(95%CI:0.46-0.84)であった。食事の血糖負荷に関するその他の調整が関連性を減衰させた(オッズ比0.75、95%CI:0.45-1.25)。動物性タンパク質や脂肪、植物性タンパク質や脂肪と分けて検討すると、高植物性タンパク質と脂肪に関するスコアは男女ともに関連は見られなかったのに対し、逆に高動物性タンパク質や脂肪に関するスコアは女性において2型糖尿病との関連が見られた。

考察:低炭水化物食は、日本の女性では2型糖尿病のリスク低下と関連していた。この関連は、白米の大量摂取に部分的に起因する可能性がある。動物由来、植物由来の低炭水化物食の関連はさらなる調査が必要である。

読後感想:この論文では、女性において低炭水化物食が2型糖尿病のリスク低下に関連があったと報告されている。ハーバード大のFung TTらの13万人26年間大規模長期観察研究(Ann inter Med 2010)でもローカーボ食でも動物性脂肪・タンパク質が中心の患者ではハイカーボ食に比べて明らかに総死亡数が増えたが、植物性脂肪・タンパク質中心ではハイカーボ食に比べて変化がないか、むしろ減っていた。総死亡数には癌死と脳心血管死の両方が関係していたと報告されている。ここまでデータが揃ってくると、やはり今後の研究はタンパク質や脂肪の質という点に注目するべきであると思う。(加藤 仁)

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