日本ローカーボ食研究会

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100.早期の離乳食開始が乳児の睡眠に与える影響:ランダム臨床試験の二次分析

Association of Early Introduction of Solids With Infant Sleep: A secondary Analysis of a Randomized Crinical Trial.

Perkin MR, et al. JAMA Pediatr. 1028 Aug 6;172(8):e180739.
doi: 10. 1001/jamapediatrics.2018.0739. Epub 2018 Aug6

【目的】:
 早期の離乳食開始が乳児の睡眠に影響を与えるかどうかを分析する。

【方法・結果】:
 イギリス、ウェールズ州の住民で、 生後3ヶ月の完全母乳児1,303人を対象に2008年1月15日?2015年8月31日の間に臨床研究を行った。検診はイギリス、ロンドンのセント・トーマス病院で行われ、生後3ヶ月の乳児に早期の離乳食を与える研究を行った。

 早期離乳食開始群では母乳も継続しつつ、初めに非アレルギー食を1週間行い、その後アレルギー食(牛乳、ピーナッツ、鶏卵、ゴマ、白身魚、小麦)を開始し、コントロール群は生後6ヶ月まで完全母乳のみを続けた。そして、3ヶ月から1歳までは1ヶ月毎に、1歳から3歳までは3ヶ月毎にオンラインアンケートを行った。

  1,303人の乳児が登録され、1,225人(94%)が3年目のアンケートまで完了した[コントロール群:618人(95%)、早期離乳食開始群:607人(93%)]。ランダム化は効果的で2群において患者背景に違いはなかった。早期離乳食開始群では、コントロール群に比較して、統計学的には明らかによく眠り、夜間の覚醒回数も少なかった。2群の違いは6ヶ月の時点でピークだった。この時点のITT解析で、早期離乳食開始群は一晩に16.6分(95%CI, 7.8-25.4)長く眠り、一晩の夜間覚醒は2.01回から1.74回へ減少した。臨床的に重要な点としては、母親の生活の質(環境的、精神的、社会的、身体的)に関係した非常に深刻な睡眠の問題は明らかにコントロール群に多かった(オッズ比. 18; 95%CI, 1.22-2.61)。

【結論】:
 早期の離乳食開始は、より長い睡眠時間と夜間の覚醒回数の減少、母親の生活の質に関係した非常に深刻な睡眠の問題の減少に関与していた。

【読後感想】:
 実はこの研究の元々の目的は最近話題になっている早期のアレルギー食の開始がその後の食物アレルギーの予防につがるかを検討する事であった。しかし、イギリスでは一部の母親の間で、乳児が夜起きるのは早く離乳食を始めたいからだという考え方があるらしく、本当にそうなのかをついでに調べてみたという経緯がある。そして、早期離乳食開始は一晩で17分長く、1週間では2時間長く眠り、夜間の覚醒が一晩で2回減少したという結果を得た。しかし、なぜ早期離乳食開始が乳児の睡眠時間と夜間の覚醒回数と関連するのかについては不明であり、今後さらなる検討が必要である。
 日本では、我々医師は母親から離乳食の開始時期についてよく相談され、 通常離乳食開始は首がしっかりと座り、寝返りが始まり5?6ヶ月頃と説明してきたが、今後離乳食開始時期について改めなければいけない時が来るかも知れない。

(医師 蟹江健介)

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