日本ローカーボ食研究会

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92.中国の高齢高齢者の血圧と死亡率の関連性を再考する:コミュニティベースの長期的前向き研究

Revisiting the association of blood pressure with mortality in oldest old people in China: community based, longitudinal prospective study
BMJ 2018;361:k2158, http://dx.doi.org/10.1136/bmj.k2158

要約

【目的】
 3年間の中国の超高齢者における、血圧と全原因死亡と特定の原因の死亡率の関連性を調べること

【デザイン】
 コミュニティベースの縦断的前向き研究

【設定】
 中国22の州で実施された中国縦長健康長寿調査の2011年および2014年の周期

【参加者】
 4658人の高齢者(平均92.1歳)

【主要評価項目】
 3年間の経過観察期間の、全原因死亡と特定の原因の死亡率

【結果】
 1997の死亡が3年間のフォローアップ時に記録された。死亡率と収縮期血圧、平均動脈圧および脈圧とのU字型の関連性が同定された。143.5mmHg、101mmHgおよび66mmHgの値は、それぞれ最小死亡リスクを与えた。共変量の調整後、U字型の関連は収縮期血圧(129mmHgでの最小死亡リスク)のみにとどまった。収縮期血圧値129mmHgと比較し、全原因死亡の危険性が107mmHg未満の値よりも減少した(1.47(95%信頼区間1.01〜2.17)〜1.08(1.01〜1.17))。154mmHgを超える値では増加した(1.08(1.01-1.17)から1.27(1.02-1.58))。原因特定の分析では、収縮期血圧(107-154mmHg)の中間範囲と比較して、より高い値(> 154mmHg)が心血管死亡率の高いリスクと関連していた(調整ハザード比1.51(95%信頼区間1.12~2.02))。より低い値(<107mmHg)は非心臓血管死亡率(1.58(1.26-1.98))の高いリスクと関連していた。U字型の関連性は感度およびサブグループ分析にとどまった。

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(BMJ 2018;361:k2158 図より抜粋)

【結論】
 この研究は3年間の中国の超高齢者における、収縮期血圧と全死因死亡との間のU字型の関係を示す。この関連は、収縮期血圧の上昇が心血管疾患による死亡のリスクが高いことを予測し、収縮期血圧の低下が心血管以外の原因による死亡のリスクが高いことを予測することによって説明することができた。これらの結果は血圧管理を再考することの重要性を強調するか、または超高齢者の管理のための特定のガイドラインを確立することを強調する。

【感想】
 高齢者の血圧目標は血圧の下がりすぎ(110台)に伴う転倒などの副作用の観点から、緩めていくのが通常であった。当院でも80歳以上では収縮期血圧の目標は140~145としていたが、明確な根拠があるわけではなかった。一方でここ数年、高齢者の降圧目標をより厳しくすべきとの報告が世界各国から相次いでいる。上記の中国の論文以外でも、日本(日本高血圧学会誌2012)の75-89歳の解析では収縮期血圧130/85 mmHg以上で死亡率が上昇していた。米国(JAMA 2016)の平均79.9歳の解析では厳しい降圧療法を行った群では34%死亡率が低下していた。これらの結果を踏まえ、血圧の下がりすぎに注意しつつ、高齢者でも収縮期血圧を130前後までは下げるべきと考える。日本の高血圧治療ガイドラインは2019年に改定予定でまだ内容は公開されていないが、それに先駆けて当院では血圧目標を厳しくする方針としたい。

(文責:灰本耕基)

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