日本ローカーボ食研究会

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77.飲酒と喫煙に関連した熱いお茶消費量の食道癌リスクへの効果

Effect of Hot Tea Consumption and Its Interactions With Alcohol and Tobacco Use on the Risk for Esophageal Cancer
A Population-Based Cohort Study
Canqing Yu, et al. Ann Intern Med. doi:10.7326/M17-2000

背景:高温のお茶消費は食道癌の危険因子と示唆されているが、その関係は常に観察されているわけではない。そして、その関係が飲酒や喫煙と独立しているかどうかについては評価されていない。

目的:高温のお茶を飲むことはすでに確立された危険因子である飲酒と喫煙に一緒に食道癌の危険因子と関連しているかを調べること。

デザイン:China Kadoorie Biobank、2004~2008年に確立された前向きコホート研究。

参加者:30歳から79歳までの456,155人。登録時に担癌患者とお茶の消費を減らした人を除く。

測定:お茶が消費されたときの通常の温度、その他のお茶消費量の測定、生活様式は登録時に1回だけ自己申告による調査。アウトカムは2015年まで食道癌の発症。

結果:平均9.2年の追跡期間中に1,731人の食道癌発症が報告された。熱いお茶を飲むことは飲酒や喫煙と組み合わされると、熱いお茶を飲むこと単独よりも高い食道癌発症と関連していた。毎週お茶を飲まない人や15g未満のアルコールを飲む人と比べて、毎日焼けるほど熱いお茶を飲む人や15g以上のアルコールを飲む人は食道癌発症の最も高いハザード比を示した(HR:5.00、95%信頼区間は3.64-6.88)。同様に、毎日焼けるほど熱いお茶を飲みかつ現在喫煙者している人のハザード比は2.03(1.55-2.67)であった。

限界:お茶消費は登録時に1回の自己申告だけであることで、それは非特異的な間違った等級分けと関係性の減弱につながる。

結果:高温のお茶消費は過剰な飲酒と喫煙と組み合わされると食道癌発症リスクの増加と関係する。
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感想
 大規模長期観察研究で1000人を遥かに超える食道癌発症に裏打ちされているので信頼性が高い研究である。一般にコホート研究はアウトカム(ある疾患の発症や死亡数)が1000人を超えるとその結果の信頼性が高くなる。
熱いものを食べる、飲酒が多い、喫煙は昔から食道癌の危険因子と言われつつづけて来たが、それぞれがどの程度食道癌発症に寄与し、それぞれがどのようにリスクを増幅するかは不明のままであった。図はこの3つの危険因子の寄与率を見事に示している。つまり、喫煙および飲酒のどちらかがあるときに限って熱いお茶は危険因子となる。熱いお茶を飲む人は飲酒との組み合わせの方が飲酒との組み合わせより危険である。熱いお茶を飲まない人では喫煙と飲酒はほぼ同じ発症リスクとなる。
 この研究が近しい食文化や遺伝子を持つ中国人で行われた意義は大きい。国の規模やコホート研究の体制作りから考えて、日本でこれを超える規模の研究は無理と思うので、この結果を患者へ積極的に伝えたいと思う。(医師 灰本 元)

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