日本ローカーボ食研究会

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55.冠動脈心疾患に対する運動による心臓リハビリテーション

冠動脈心疾患に対する運動による心臓リハビリテーション
Cochraneシステマティックレビューとメタ解析
Exercise-Based Cardiac Rehabilitation for Coronary Heart Disease
Cochrane Systematic Review and Meta-Analysis
Lindsey Anderson et al. JACC January 2016 doi:10.1016/j.jacc.2015.10.044

背景:運動による心臓リハビリテーションは冠動脈心疾患の管理に対するガイドラインでは推奨されるものの、これまでのメタ解析によって得られたエビデンスを適用することに対しては懸念する声が上がっている。
目的:この研究の目的は冠動脈心疾患に対する運動による心臓リハビリテーションのCochraneシステマティックレビューとメタ解析から得られたエビデンスを新たに更新することである。

方法:2014年7月までに出版されたThe Cochrane Central Register of Controlled Trials、MEDLINE、EMBASE、CINAHL、Science Citation Index Expandedを検索した。検索文献、システマティックレビュー、臨床試験登録の検索は手作業で行われた。今回の解析には心筋梗塞、血管再建術後の患者、もしくは血管造影によって狭心症または冠動脈心疾患と診断された患者に対して運動による心臓リハビリテーションを行った群と行わなかった群とを比較した研究で少なくとも半年間の追跡を行ったものを含めた。二人の著者が文献の表題、抽出データを審査し、バイアスのリスクを評価した。このメタ解析はランダム効果モデルを用いて行い、また潜在的な治療効果に対する影響因子を調査するために層別解析を行った。

結果:平均追跡期間が12ヶ月で14486人の研究参加者を伴う63の研究がメタ解析に含まれた。全体的に見ると、心臓リハビリテーションは心血管死(HR:0.74; 95%CI:0.64-0.86)と心血管疾患での入院のリスク(HR:0.82; 95%CI:0.70-0.96)の減少をもたらした。しかしながら、総死亡、心筋梗塞、血管再建術に対する有意な効果は認められなかった。20ある研究のうち14という大多数(65%)の研究が対照群と比較して運動による心臓リハビリテーションを行った群では1つ以上のQOLの尺度で優れていることを示した。

結論:この研究によって運動による心臓リハビリテーションが心血管死を減少させること、入院リスクの減少を示す重要なデータやquality of life(QOL)の改善をもたらすことが立証された。これらの結果は患者背景や介入方法に関わらず一貫しており、研究の質やその背景、出版時期との関連はなかった。

読後感想:世界では1940年代までは急性心筋梗塞発症から6~8週間はベッド上安静を守るということが厳格に実施されていたが、1960年代には健常者に長期臥床強いることにより可逆性の身体調節異常が生じることが明らかになり早期離床、早期退院、早期社会復帰の流れが速まった。この論文から心臓リハビリは入院期間の短縮、QOLの向上に効果があるということが言える。一方日本では1982年に当時の厚生省により急性心筋梗塞4週間リハビリプログラムが発表されたが、急性心筋梗塞患者の回復期リハビリ参加率は1996~1998年の多施設調査によると推計で日本循環器学会専門医研究病院では12%、全国では5%にとどまっている。日本での心臓リハビリの実施率の低さの要因に、社会的認知度の低さやエビデンスが不十分なことが挙げられると思う。今後心臓リハビリの普及のために知識と技術を身につけていきたいと思う。(看護師 田中恵)

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