日本ローカーボ食研究会

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112.幼児期のBMI増加率と持続する肥満リスク

Acceleration of BMI in Early Childhood and Risk of Sustained Obesity
Beserick M, et al. N Engl J Med. 2018 Oct 4;379(14):1303-1312.
doi: 10.1056/NEJMoa1803527.

【背景】
 出生から思春期までのBMIの変化はよく分かっておらず,子どもの持続する肥満への発展のしやすさが特定の年齢で起こるかどうかの評価は重要である.

【方法】
 肥満の始まる年齢を評価するために,小児期(014歳)と思春期(1518歳)で連続する測定身体データが存在する51,505人の人口ベースにおいてBMIの経時的変化を前方視的及び後方視的分析を行った.さらに,34,196人の
肥満の発症年齢を評価するために,小児期(0~14 歳)と思春期(15~18 歳)の連続する身体測定データが存在する小児 51,505 人の人口ベースの標本集団において,BMIの経時的経過の前方視的及び後方視的分析を行った.さらに,小児 34,196 人の小児期における,BMI標準偏差スコアの 1 年あたりの変化と定義したBMIの年間増加の動態も評価した.

【結果】
 後方視的分析では,思春期に標準体重の多くが,小児期を通じて常に標準体重であった.肥満の思春期児の約半数(53%)は 5 歳以降に過体重または肥満であり,年齢とともにBMI標準偏差スコアはさらに増加した.前方視的分析では,3 歳の時点で肥満であった児の約 90%が,思春期でも過体重または肥満であった.思春期の肥満では,BMIの年間増加率は 2~6 歳で最大になり,その後,BMIパーセンタイルはさらに上昇した.就学前のBMIの年間増加率は,思春期の過体重または肥満のリスクに関連し,そのリスクは就学前にBMIが安定していた者の1.4倍であった(しかし,就学後は関連なし).思春期に過体重または肥満である割合は,出生体重が在胎期間に比して大きかった者(43.7%)の方が,在胎期間に比較して適正であった者(28.4%)や小さかった者(27.2%)よりも高く,在胎期間に比較して大きかった者は思春期の肥満のリスクが他の群の 1.55 倍であった.

【結論】
 思春期の肥満では,最も急速な体重増加は 2~6 歳の間に起こっており,その年齢で肥満であった子どもの多くは思春期に肥満であった.

【読後感想】
 海外のデータではあるが,日本でも食生活の欧米化に伴い,小児の肥満は増加傾向にある.保育園・幼稚園の時期の肥満に気付けば,将来の肥満を予防できるかもしれない.しかし,成長期である小児では正常値が年齢で大きく変動するため,BMIを肥満の基準に用いることは困難である.そこで,通常小児の肥満の評価には,年齢,性別,身長別標準体重から肥満度[肥満度=(実測体重?標準体重)/標準体重×100%]を算出して肥満の判定基準に用いている.幼児では肥満度15%以上が肥満,学童以降では2030%が軽度肥満,30?50%が中等度肥満,50%以上が高度肥満と判定される.肥満度を考慮したデータの集積が望まれる.

(医師 蟹江健介)

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