日本ローカーボ食研究会

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115.小児の脳震盪における症状変化と回復の自然経過

Natural Progression of Symptom Change and Recovery From Concussion in a Pediatric Population.
Ledoux AA, et al. JAMA Pediatr. 2018 Nov 5:e183820.
doi: 10.1001/jamapediatrics.2018.3820.

【背景】
 小児の脳振盪後の症状変化と回復の自然経過はしっかりと定義づけされていない.

【目的】
 小児の受傷後回復について家族に情報提供をするために,年齢別(5-7歳,8-12歳,13-18歳),性別の症状変化の自然経過を明かにする.

【研究デザイン】
 前方視的多施設コホート研究の計画二次分析(小児における持続する脳振盪後の問題予測).対象は小児救急研究カナダ(PERC)の9つの小児救急部門.対象者は2013年8月1日〜2015年5月31日の間で5〜18歳の急性脳震盪と診断された者.データ分析は2018年1月〜3月に行われた.

【介入】
 対象者はチューリッヒ合意文書のスポーツ診断基準に則った脳震盪の患者で,85%が各時点での脳振盪後症状項目を満たしていた.

【主な評価項目と方法】
 主要評価項目は症状変化で,その定義は症状変化を受傷前からの減点方式(デルタ方式)て定義付け,受傷直後,受傷後1,2,4,8,12週目で評価した.8〜18歳は自己申告,5〜7歳は本人と両親から評価を行った.副次評価項目は回復で,その定義は症状の変化がなく,直近の外傷前PCSIスコア(デルタスコア0点)に相当するもの.混合効果モデルは,ランダム効果(場所と対象者の分布)の調整,固定効果指針(年齢,性別,時間による年齢,時間による性別)と回復分布を統合してトータルスコアを算出した. 年齢と性別の回復中央曲線が算出された.

【結果】
 合計3,063の小児(中央値12.0歳[四分位数範囲,9.2〜14.6歳];男性60.7%)が主要評価項目を満たし;2,716人に主要評価項目の分析を行った.5〜7歳の年齢群では,症状変化は受傷後1週間後から変化し,2週間後には75.6%に症状の改善を認めた(受傷直後と受傷2週間後のPCSIスコアの変化は-5.3;95%信頼区間-5.5〜5.0).8〜12歳と13〜18歳の年齢群では受傷後2週間で症状変化が顕著であったが,受傷後2週目と4週目で横ばいとなった.受傷4週までにそれぞれ83.6%,86.2%の症状改善を認め8〜12歳(受傷直後と受傷4週のPCSIスコアの変化は-9.0;95%信頼区間-9.6〜-8.4),13〜18歳(受傷直後と受傷4週のPCSIスコアの変化は-28.6;95%信頼区間-30.8〜—26.3).時間による性別は思春期群でのみ明かであった.(β=0.32;95%信頼区間0.21-0.43;p<.001).多くの思春期の女性は受傷12週目でも回復しなかった.

【結果と関連】
 症状回復の始まりは小児では受傷後2週目,前思春期と思春期の男性では受傷4週目であった.思春期の女性では回復が遷延する傾向があった.抽出された回復曲線はエビデンスに基づいた予後ガイダンスとして有用かもしれない.

【読後感想】
 脳振盪後の持続する頭痛にはよく遭遇する.今回のデータを用いて,患者さんとその家族に今後の経過について前持ってお話しすることで,過剰な不安を取り除く助けになるかもしれない.

(医師 蟹江健介)

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