日本ローカーボ食研究会

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74.CKD/CHD/CLD患者におけるメトホルミン使用の臨床結果

Clinical Outcome of Metformin Use in Populations With Chronic Kidney Disease, Congestive Heart Failure, or Chronic Liver Disease A systematic Review
Matthew J. Crowley et al. Ann Intern Med. doi:10.7326/M16-1901

背景:FDAによるメトホルミン警告欄の最近の改正によってこれまで禁忌や慎重投与に該当していた患者でのメトホルミンの使用が増加するだろう。処方医はそのような患者におけるメトホルミン使用の臨床結果を知っておかなければならない。

目的:2型糖尿病患者や中等度~重度CKD患者、CHF (Congestive Heart Failure、心不全)患者、あるいはCLD (Chronic Liver Disease、慢性肝障害)患者におけるメトホルミン使用の臨床結果を扱ったデータを統合する。

情報源:1994年1月から2016年9月までのMEDLINE(PubMed経由)、Cochrane Library、EMBASE、1994年1月から2015年12月までのInternational Pharmaceutical Abstracts。

研究選択:英語表記であり、以下の条件を満たした研究を選択した。
1)2型糖尿病、CKD(eGFRが60ml/min/1.73m2未満)、CHF、肝障害を伴うCLDを罹患した成人患者を調査した研究。
2)糖尿病に対する処方内容にメトホルミンを含むものと含まれないものを比較した研究。
3)総死亡、主要な有害心血管イベント(MACEs)、そしてその他の重要なアウトカムを報告した研究。

データ抽出:2人の査読者がデータを要約し、独立して研究の質とエビデンスの強度を評価した。

データ統合:17の観察研究を含む量的研究と質的研究から得られたそれぞれのエビデンスを統合すると、メトホルミンの使用はCKD患者、CHF患者、肝障害を伴うCLD患者において総死亡の減少と関連し、CKD患者あるいはCHF患者において心不全での再入院率の低下と関連するという結果が得られた。

研究の限界:エビデンスの強度が低く、多数の重要なアウトカムに関するデータが希薄である。更に入手できる研究は観察研究であり、追跡期間がそれぞれ異なっている。

結論:中等度のCKD患者、CHF患者、肝障害を伴うCLD患者におけるメトホルミンの使用は臨床的に重要なアウトカムの改善と関連している。この研究結果はメトホルミンの添付文書の改訂の手助けとなるだろう。

読後感想:メトホルミンは世界中の2型糖尿病患者に対してもっとも多く処方される薬であり、糖尿病治療の第一選択薬である。臨床研究データも数多く発表され、そのエビデンスは高く評価されている。しかしその添付文書の禁忌には中等度以上の腎機能障害、重度の肝機能障害、心不全患者の記載が並び、臨床医はその処方が許されていない。とくに高齢者では血清Crがやや高い場合が多いのでたいへん使いづらい。ところがこの研究結果を見ると、むしろこれらの疾患においても重要なアウトカムの改善に寄与しており、インスリン治療よりも優れていることが認められた。筆者が述べている通り今後更に多くのエビデンスが集積されれば、メトホルミンの添付文書のみならず、糖尿病治療ガイドラインまでもが変更されるなるだろう。(薬剤師 北澤雄一)

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