日本ローカーボ食研究会

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99.心血管死リスクに対する年齢別の糖尿病の影響:EPOCH-JAPANからの概要

Age-specific impact of diabetes mellitus on the risk of cardiovascular mortality: An overview from the evidence for Cardiovascular Prevention from Observational Cohorts in the Japan Research Group (EPOCH-JAPAN)
Yoichiro Hirakawa et al. Journal of Epidemiology 27 (2017) 123e129

【背景】
 糖尿病は心血管疾患に対する有力なリスク因子である。しかし、年齢別(特に高齢者)の糖尿病と心血管リスクとの関連性は欧米人以外では不明のままである。


【方法】
 日本の8のコホート研究(平均追跡期間:10.3年)からの心血管疾患の既往のない38854人の参加者データを統合してプール解析を行った。参加者全体で1867人が糖尿病に罹患しており、糖尿病は1998年のWHOの基準に基づいて診断された。糖尿病と心血管疾患、冠動脈心疾患、脳卒中による死亡との関連性は、コホート間のベースラインでのハザード関数の変動性を考慮しながら層別化Cox比例ハザードモデルを用いて評価した。


【結果】
 追跡期間中に1376人が心血管疾患(冠動脈疾患:268人、脳卒中:621人を含む)によって死亡した。多変量補正後、糖尿病は心血管疾患死のリスク上昇と関連していた。([HR] 1.62; 95%[CI] 1.35-1.94)同様に、糖尿病は冠動脈疾患(HR 2.13; 95%CI 1.47-3.09)および脳卒中(HR 1.40; 95%CI 1.05-1.85)のリスク因子であった。心血管疾患による死亡リスクの年齢での層別解析では、糖尿病の相対効果は全ての年齢層にわたって一貫していた(異質性のp値=0.18)が、過剰絶対リスクは若年層より70代および80代の参加者で大きかった。


【結論】
 糖尿病の管理は日本人では中高年だけでなく、高齢者においても心血管疾患による死亡リスクを減少させるために重要である。


【読後感想】
 糖尿病が心血管疾患のリスク因子であることはこれまでの調査や研究によって明白となっており、血糖コントロールの重要性は言うまでもない。この研究結果の特徴的なところは70代から80代の高齢者であっても血糖管理が重要であると結論付けているところである。しかし、その場合は徹底して低血糖の発現の回避に努めなければならない。低血糖の発症は心筋梗塞による死亡リスクならび認知症の発症リスクをおよそ2倍に引き上げる。糖尿病管理を厳格にしすぎると、かえって患者に対して不利益な結果を招くことも我々は頭に入れておく必要がある。

(薬剤師 北澤雄一)

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