日本ローカーボ食研究会

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72.母親の妊娠前のBMIと出産後の重大疾病

Association Between Prepregnancy Body Mass Index and Severe Maternal Morbidity
Sarka Lisonkova et al. JAMA.2017;318(18):1777-1786.doi:10.1001/jama.2017.16191

重要性:母親の高BMIは有害な出生アウトカムと関連しているが、出産後(母親の)重大疾病との関連は明らかでない。

目的:母親の妊娠前のBMIと出産後の重大疾病との関連を調査する。
試験デザイン、設定、参加者:2004年から2013年の期間にワシントン州における医療機関で出生した全ての単生児を含んだ後ろ向き一般人口集団コホート研究。人口統計学的データや疾病の診断データは出生証明書や入院記録から入手した。

暴露:妊娠前のBMI(体重[kg]を身長[m]の二乗で割る)の区分は低体重(<18.5)、正常BMI(18.5-24.9)、過体重(25.0-29.9)、肥満class1(30.0-34.9)、肥満class2(35.0-39.9)、肥満class3(≧40)とした。
主要評価項目、測定:重篤な症状、重大な後遺症(例として羊水塞栓症、子宮摘出)をもたらす症状、ICUへの入院、死亡を含む母親の出産後の重大疾病と死亡のコンポジット。ロジスティック回帰モデルを用いて母親の妊娠前のBMIと出産後の罹患、死亡とのオッズ比(ORs)、リスク率差、95%信頼区間を算出し、交絡因子(例として母親の年齢、出産歴)を調整した。

結果:この研究には全体で743630人の女性(平均年齢: 28.1[SD,6.0]歳、41.4%が出産未経験者)が含まれた。妊娠前のBMIは、低体重:23675人(3.2%)、正常体重:353212人(47.5%)、過体重:191991人(25.8%)、肥満class1:97040人(13.1%)、肥満class2:46320人(6.2%)、肥満class3:31392人(4.2%)のように割り付けた。母親の出産後の重大疾病の発症率あるいは死亡率は、それぞれ母親10000人に対して低体重で171.5人、正常体重で143.2人、過体重で160.4人、肥満class1で167.9人、肥満class2で178.3人、肥満class3で202.9人であった。また正常体重と比較して、調整後のオッズ比は低体重で1.2(95%CI: 1.0-1.3)、過体重で1.1(95%CI: 1.1-1.2)、肥満class1で1.1(95%CI: 1.1-1.2)、肥満class2で1.2(95%CI: 1.1-1.3)、肥満class3で1.4(95%CI: 1.3-1.5)であった。さらに絶対リスク増加(正常体重と比較した母親10000人に対するリスク率差)は低体重で28.8(95%CI: 12.2-47.2)、過体重で17.6(95%CI: 10.5-25.1)、肥満class1で24.9(95%CI: 15.7-34.6)、肥満class2で35.8(95%CI: 23.1-49.5)、肥満class3で61.1(95%CI: 44.8-78.9)であった。

結論、関連性:ワシントン州における妊娠した女性では、妊娠前の低BMIおよび高BMIは正常BMIと比較して統計学的に有意ではあるが、出産後の重大疾病または死亡のわずかな絶対的増加と関連していた。

読後感想:BMI関連の文献はこれまでに多数発表されており、性別、年齢別あるいは疾患別とあらゆる角度から研究されている。今回のコホートは妊娠前のBMIと出産後の母親の死亡を含む重大疾病との関連を調査したものあり、差はわずかであるもののやはり低体重でリスクが大きいという結果であった。以前紹介した2014年に発表されたイスラエルのコホートでも青年期のBMIが正常であってもその後の成人期における心疾患死、総死亡が増加するという結果であったが、男性も女性も低体重ではそれよりわすかに死亡が多かった。日本人ではBMI30以上の肥満はせいぜい人口の5%未満と少ないので問題になるのは圧倒的に痩せの方だろう。(薬剤師 北澤雄一)

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