日本ローカーボ食研究会

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107.成人期および心血管疾患の長期的リスクにおける重度かつ主に活動性のアトピー性湿疹:集団ベースのコホート研究

Severe and predominantly active atopic eczema in adulthood and long term risk of cardiovascular disease: population based cohort study  
BMJ 2018;361:k1786 http://dx.doi.org/10.1136/bmj.k1786

要約


【目的】
 アトピー性湿疹を有する成人が心臓血管疾患のリスクが増加しているかどうか、およびアトピー性湿疹の重症度および状態の変化によってリスクが異なるかどうかを調査すること。

【デザイン】
 集団ベースの一致コホート研究

【設定】
 臨床実践研究データリンク(Clinical Practice Research Datalink)、病院エピソード統計からの英国電子健康記録、および国家統計局(1998-2015)からのデータ。

【参加者】
 アトピー性湿疹の診断を受けた大人を、アトピー性湿疹のない5人までの患者(年齢、性別、一般慣行、カレンダー時)と一致させた。

【主要結果の計測】
 心臓血管のアウトカム(心筋梗塞、不安定狭心症、心不全、心房細動、脳卒中、および心臓血管死)。

【結果】
 アトピー性湿疹を有する387439人の患者をアトピー性湿疹のない患者1528477人と一致させた。年齢の中央値はコホートエントリーで43歳、女性が66%であった。フォローアップの中央値は5.1年であった。アトピー性湿疹の患者の非致死的主要アウトカムの危険率が10%〜20%増加したことの証拠は、一致させたセットによって階層化されたCox回帰を用いることによって見出された。アトピー性湿疹の重篤度と強い用量反応関係があった。重度のアトピー性湿疹の患者では脳卒中リスク(ハザード比1.22、99%信頼区間1.01〜1.48)が20%、心筋梗塞、不安定狭心症、心房細動および心臓血管のリスクが40〜50%(ハザード比1.69、99%信頼区間1.38〜2.06)、心不全のリスクが70%増加した。最も活動的なアトピー性湿疹(フォローアップ中の活動性> 50%)も、心臓血管の転帰のリスクがより高かった。潜在的な仲介者としての心血管リスク因子の追加調節は重篤なアトピー性湿疹に関連していたものの、ポイント推定値を部分的に弱めた。

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【結論】
 重度で主に活動性のアトピー性湿疹は心血管の転帰のリスク増加と関連している。これらの患者の心血管疾患予防戦略を対象とするべきである。

【感想】
 英国の成人アトピー性皮膚炎の患者の心血管リスクについて述べた論文である。電子カルテからの情報を解析しているので、どこまで臨床の状況と一致しているかは分からないが、湿疹がひどければひどいほど、心筋梗塞、不安定狭心症、心不全、心房細動、脳梗塞などのリスクが上昇していた。アトピー性皮膚炎は慢性的な皮膚の炎症であり、全身血管の炎症にも悪影響を及ぼすのであろうが、アトピー性皮膚炎は心身症的(精神的)の側面も大きい。特に重症の患者さんのほどその傾向が顕著であり、重度のストレスを長期間抱えていることとなるため、精神面からの身体に与える影響も大きいと思われる。当院のアトピー性皮膚炎の患者さんは若年から中年の方が多いが、今後の心血管疾患の発症には十分に注意すべきと言える

(文責:灰本耕基)

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