73.辛い香辛料入りの食品の消費量と総死亡および死因別の危険度
辛い食品は身体に良くない?!
辛い香辛料入りの食品の消費量と総死亡および死因別の危険度:前向きコホート研究
Consumption of spicy foods and total and cause specific mortality: population based cohort study.
Jun Lv et al. on behalf of the China Kadoorie Biobank collaborative group BMJ (2015) 351:h3942
目的:辛い食べ物の日常消費量と総死亡および死因別の危険との関係を調べる。
デザイン:地域住民を対象とした前向きコホート研究
設定:2004年から2008年の間で中国の10の地理的に様々な地域の参加者が登録されているThe China Kadoorie Biobankを利用。
方法:試験開始時にがん,心臓疾患,脳血管疾患の罹患者をのぞき,年齢30~79歳の男性19万9293人と女性28万8082人を対象にした。
主な曝露の指標:試験開始時点に一度だけ自己申告された辛い香辛料入りの食べ物の消費頻度。
主なアウトカム:総死亡および疾患別死因の危険度
結果:3,500,004人・年で2004年から2013年までの追跡期間中(平均7.2年)に,11,820人の男性と8,404人の女性が死亡した。
辛い香辛料入りの食べ物の消費量カテゴリー別の絶対死亡率は,1000人・年あたり週に1日以下の摂取で死者6.1人,1日または2日で4.4人,3日から5日で4.3人,6~7日で5.8人であった。
辛い香辛料入りの食べ物の消費量は、既知または可能性が高い危険因子によるリスク補正をしてもなお,男性女性ともに一貫して死亡危険度と高い逆相関を示した。
コホート全体では,辛い香辛料入りの食べ物を週一回未満摂取した人に比べてそれぞれの補整死亡危険度は週1~2回の摂取で0.90(95%信頼区間~0.84~0.96),週3~5回では0.86(0.80~0.92)、週5~6回では0.86(0.82~0.90)だった。
週に一回未満辛い香辛料入りの食べ物を消費人たちと比較して、週に6~7回では、総死亡の相対危険度は14%の減少を示した。
辛い香辛料入りの食べ物の消費量と死亡危険度の逆相関は,アルコールを消費した人に比べ消費しなかった人でより強かった(P=0.033)。この逆相関は、癌、虚血性心疾患、呼吸器疾患による死亡でも観察された。
結論:この大規模前向き研究で,習慣的な辛い食べ物の消費は他の死亡危険因子とは無関係に総死亡及びいくらかの死因別死亡率と逆相関することが明らかになった。
読後感想:今回