日本ローカーボ食研究会

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22.日本人男女における低炭水化物食と2型糖尿病のリスク

日本人では糖質摂取が少ないと2型糖尿病の発症が減る!
日本人男女における低炭水化物食と2型糖尿病のリスク:JPHC前向き研究
Akiko Nanri.et.al PLOS ONE | DOI:10.1371/journal.pone.0118377 February 19, 2015

目的:ローカーボスコアと2型糖尿病のリクスとの関連についての根拠は少なく,結果が対立しており、炭水化物をより多く消費するアジア圏においてその関連について前向き研究での検討はされていない。わたしたちは前向き研究で2型糖尿病リスクと低炭水化物食スコアの関連を調べた。

方法:参加者はJPHC-2に参加した糖尿病既往歴がない45~75歳の男性27,799人と女性36,875人であった。食事摂取量は食物-頻度アンケートを用いて確認し、ローカーボスコアは全炭水化物、脂肪、及びタンパク質の摂取量から算出した。高動物性タンパク質や脂肪、高植物性タンパク質と脂肪それぞれについてのスコアも計算した。5年間に医師による診断を自己申告した2型糖尿病のオッズ比はロジスティック回帰を用いて推定された。

結果:5年の観察期間中、1,191人が新たに2型糖尿病と自己報告された。
高タンパク質と脂肪についてのローカーボスコアは女性において2型糖尿病のリスク低下に関連していた(trend P<0.001)。スコアを5群に分け比較すると、スコアの最も高い群の2型糖尿病多変量調整オッズ比は、最も低い群のものと比較して0.63(95%CI:0.46-0.84)であった。食事中の糖質負荷に関する要因でさらに調整するとその関連性が減った(オッズ比0.75、95%CI:0.45-1.25)。動物性タンパク質と脂肪、植物性タンパク質と脂肪と分けて検討すると、高植物性タンパク質と脂肪に関するスコアは男女ともに関連は見られなかったのに対し、高動物性タンパク質や脂肪は女性において2型糖尿病との関連が見られた。

考察:低炭水化物食は日本の女性では2型糖尿病のリスク低下と関連していた。この関連は,一部は白米の大量摂取に原因があるかもしれない。動物由来、植物由来の低炭水化物食との関連はさらなる研究が必要である。

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