日本ローカーボ食研究会

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男性における総糖質摂取量の変化および各糖質源由来の糖質摂取量の変化とHbA1c変化との関連

 男性において、総糖質摂取量の変化および5種類の糖質源由来の糖質摂取量の変化に対してSpearman順位相関係数はHbA1cと正の相関を示した。表4(Table4)、図A-F。

Spearman順位相関係数が摂取量の変化で最も大きかったのはΔ総糖質(rs=0.584)であり、続いてΔソフトドリンク由来(rs=0.368)、Δ菓子類由来(rs=0.361)、Δ米由来(rs=0.325)、Δパン由来(rs=0.221)、Δラーメン由来糖質(rs=0.199)の順に小さかった。また、摂取量の変化で相関がstrongであったのはΔ総糖質であり、Δソフトドリンク、Δ菓子類、Δ米由来の糖質ではmoderate、Δパン、Δラーメン由来糖質ではweakであった。
 モデル1(年齢および余暇時間での身体活動で調整)に基づいて重回帰分析を行った結果、50gの総糖質摂取量の減少はHbA1c0.43%の低下と関係し、ソフトドリンク、菓子類、米、パン、ラーメン由来の糖質摂取量50gの減少は、それぞれHbA1c1.33%、0.88%、0.34%、0.63%、0.82%の低下と関係していた(表5)。モデル1にBMIの変化を加えた共変量で調整しても結果はほとんど同じであり、Δ総糖質摂取量ではβ=0.419、SE=0.055、P<0.001、Δソフトドリンク由来ではβ=1.313、SE=0.208、P<0.001、Δ菓子類由来ではβ=0.854、SE=0.248、P=0.002、Δ米由来ではβ=0.312、SE=0.110、P=0.005、Δパン由来ではβ=0.604、SE=0.292、P=0.041、Δラーメン由来ではβ=0.873、SE=0.216、P<0.001であった。モデル1と比較したβ値の変化は0.007%から0.051%の範囲であった。
 モデル2(モデル1+ΔBMIおよびΔ総カロリー摂取量を共変量)で調整すると、ΔHbA1cのΔ米由来およびΔパン由来糖質摂取量に対する正の相関はもはや有意ではなかったが、Δ総糖質、Δソフトドリンク由来、Δ菓子類由来、Δラーメン由来糖質摂取量に対する正の相関は有意なままであった(表5)。
 ソフトドリンクおよび菓子類に関しては、私たちは主食(米、麺類全般、パン)由来の糖質摂取量の変化で調整して解析を行った。その結果、ΔHbA1cとΔソフトドリンク由来(β=1.286、SE=0.202、P<0.001)およびΔ菓子類(β=0.542、SE=0.270、P=0.047)由来糖質摂取量との正の相関は有意なままであった。

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