日本ローカーボ食研究会

日本ローカーボ食研究会

第8回定期勉強会 印象記:じん薬局 松岡 武徳

じん薬局 薬剤師 松岡 武徳

ローカーボ勉強会に参加して
2014年11月29日 名駅の安保ホールにて日本ローカーボ食研究会の定期勉強会が行われました。私は何度か定期勉強会には参加させていただいており毎回たくさんの知識を学ばさせていただいています。
 さて、今回の定期勉強会では灰本クリニックの灰本先生より症例検討でローカーボの考え方で一筋縄ではいかなかった症例をグループ単位で治療方針などを症例検討で話し合い、名古屋大学大学院の笹壁さんからは上手な間食の取り方の実例を含めご説明いただきました。むらもとクリニックの村元先生は世界の糖尿病治療ガイドラインによるHbA1cの目標値とハーバード大学のPhilip E. Cryerさんの論文をご紹介いただきました。
 まず灰本先生の症例検討では、参加者を職業別に各グループに均等に振り分けグループ内で治療方針や食事指導について話し合いました。医師、管理栄養士、薬剤師などがグループにそれぞれ入っているので、それぞれの視点に基づいた意見が出ました。私は普段調剤薬局にいるので病院内でのやり取りはあまり分かっていませんでしたが、今回の勉強会でも医師、栄養士がどのように考え連携しているか分かり、自分だけでは出ないような医師目線、栄養士目線での意見は勉強になりました。日々の業務の中で医師はすばやく薬を選択したり、栄養士は食事指導の内容を考えたりするのはたくさんの経験が無いとなかなかできない事なので今回の症例のように治療がすんなりとはいかず試行錯誤しながら考える症例はいい経験になりました。
 続いて笹壁さんの発表では、糖尿病の患者さんが食事制限前後で食べているものの具体例を挙げて教えて頂きました。制限前には男女ともに1位はコーヒーで他は、男性だと和菓子中心、女性だと洋菓子中心に食べていたとのことでした。しかし制限後は1位のコーヒーは同じだったもののその次にナッツ類が入り、皆さんうまくローカーボを実践しているなと思いました。実際の栄養指導では上手な間食を摂ってもらうために①現在の間食摂取状況の確認②間食の炭水化物量を紹介③個人に合わせた提案、の流れで栄養相談を行っていくとのことでした。間食しだいでせっかく食事でローカーボを頑張ってもらっても間食で台無しになってはいけないので上手な間食の選び方も参考になりました。
 最後に村元先生は、分かりやすく世界の糖尿病治療のガイドラインをまとめて頂き、世界の糖尿病治療の方向性が良く分かりました。さらに高齢者の糖尿病患者では治療基準では基準が緩められ特に低血糖にならないように設定されています。またハーバード大学のCryerさんの糖尿病治療の総説は、数値にこだわるのではなく、低血糖が起こらない最小値を目標にするという新しい考えで論文が書かれていました。灰本先生からも低血糖を一発でも起こすと認知症のリスクは2倍以上に増え、脳・心血管疾患が一年後に起きる確立が増えるというデータも教えて頂きました。これからは今まで以上に「低血糖厳禁」という考えを念頭において治療していかなければいけないと改めて思いました。
 あと個人的な話にはなるのですが、現在じん薬局の薬剤師は灰本先生の指導の下で1ヶ月に数回英論文の抄読会を行っています。半年ほど前から英論文のアブストラクトだけ訳す形ではあるのですが、訳していて少しずつではありますが英語を訳すスピードも速くなってきました。日本語の論文であれば読むのは楽ですが英論文が読めるようになると、世界の数万人、数十万人規模のメタ分析の論文の持つ結果の説得力を感じる事ができ、自分でも世界の最先端の知識を得る事ができます。慣れるまでは私もハードルは高かったのですが、これまであまり英論文に接して来られなかった方々も、一度試しに論文のアブストラクトだけでも訳してみると新たな知識と自信がつくかなと思います。
毎回新たな知識をいただける勉強会なので次回はどんな内容になるのか楽しみにしています。

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