論文要旨和訳2014年04月②
2014年04月 No.2
「100万人を超えるアジア人におけるBMIと死亡危険度の関連性」
Wei Zheng, M.D.et al. N Engl J Med 2011;364:719-29.
背景:BMIとあらゆる原因および特定の原因による死亡危険度の関連性を評価した研究は、ほとんどヨーロッパを起源とする人々で行なわれてきた。
方法:私たちはアジア人のBMIと死亡危険度の関連性を評価するために、19のコホート研究で集積された110万人以上について分析を行ない、この中には平均9.2年の追跡調査期間に発生したおよそ120,700の死を含んでいた。交絡因子を調節するためにCox回帰モデルを使用した。
結果:中国人、日本人、韓国人を含む東アジア人でのコホート研究で最も低い死亡危険度を示したBMI(体重のkgを身長のmの二乗で割った数値)は22.6~27.5の範囲であった。死亡危険度はBMIレベルが高くてもまた低くても上昇した。BMI:22.6~27.5の死亡危険度を1.0とすると、BMI:35.0以上では1.5倍、BMI:15.0以下では2.8倍に死亡危険度が上昇した。BMIとがん、心血管疾患、その他の原因による死亡危険度との関係は同様にU字型の関連性が見られた。インド人とバングラデシュ人のコホート研究ではあらゆる原因および癌または心血管疾患以外の原因による死亡危険度は、22.6~25.0のBMIの者と比較してBMI:20.0以下で増加した。一方で高BMIにおいてはあらゆる原因による死亡危険度または原因別の死亡危険度のどちらも上昇は見られなかった。
結論:すべてのアジア人において標準以下の体重は死亡危険度の上昇と関連性があった。高BMIに関連した死亡危険度の上昇は東アジア人では見られたが、インド人とバングラデシュ人では見られなかった。
Figure 1. Association between Body-Mass Index and Risk of
Cause-Specific Death in Two Asian Populations. N Engl J Med 2011;364:719-29.改変
Figure 2. Association between the Body-Mass Index and the Risk of Death
from Respiratory Diseases or Other Causes. N Engl J Med 2011;364:719-29.改変