日本ローカーボ食研究会

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論文要旨和訳2014年04月①

2014年04月 N0.1

「 高齢成人におけるBMIと全死亡:メタ解析より 」
 Jane E Winter, Robert J MacInnis, Naiyana Wattanapenpaiboon, and Caryl A Nowson Am J Clin Nutr April 2014  vol. 99  no. 4  759-760


背景:高齢成人に関してBMIと全死亡との相関が、若年成人に関するそれと同じかどうかはっきりしない。

目的:目的は、65歳以上の成人におけるBMIと全死亡との相関をつきとめることにあった。

デザイン:共同体ベースの65歳以上の成人について全死亡の相対比が記載された1990年から2013年までに刊行された研究について、2段階のランダム効果モデルのメタ解析を行った。

結果:32編の研究が算入基準を満たしていた。すなわちこれらの研究は、平均経過観察期間12年の197,940人の患者を含んでいた。BMI23.0~23.9を基準とするとBMI21.0~21.9では死亡率が12%上昇しており、BMI20.0~20.9では死亡率が19%上昇していた(BMI21.0~21.9ではハザード比1.12、95%信頼区間1.10~1.13、BMI20.0~20.9ではハザード比1.19、95%信頼区間1.17~1.22)。BMI33.0より大きい場合では死亡率が上昇し始めた(BMI33.0~33.9ではハザード比1.08、95%信頼区間1.00~1.15)。自己申告による身体計測値、中間の要素の補正、早期死亡例や既存疾患の除外といったものはいずれも相関関係をはっきりとは変えなかった。ただし非喫煙者においては、相関関係がやや弱くなっていた。

結論:高齢者に関して言えば、太りすぎであることは死亡リスクの増加にはつながらないことがわかった。しかしながら成人における推奨BMI範囲の下限にある者では、死亡リスクの増加がみられた。BMI23.0未満では高齢者における死亡リスクが増加していたため、このグループでは個々の合併症を正当に考慮しつつ、体重減少をきたすようなあらゆる追加要因に対して迅速に取り組むべく体重の動向を管理することが適切と思われる。

 

・この論文の中では、65歳以上の成人ではBMIと死亡危険度の相関はUカーブを示し、BMI27.5が最も低くなっています。

FIGURE 2. HRs (95% CIs) of all-cause mortality according to BMI formen and women aged $65 y. BMI was modeled with restricted cubic splines in a random-effects dose-response model. A BMI (in kg/m2) of 23.5 (most common midpoint for the reference BMI category) was used as the reference to estimate all HRs. The vertical axis is on a log scale.
(Jane E Winter,et al.  BMI and all-cause mortality in older adults: a meta-analysis1,2,3 Am J Clin Nutr April 2014  vol. 99  no. 4  759-760 より引用)

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