論文要旨和訳2015年3月①
2型糖尿病の非肥満日本人患者における穏やかな低炭水化物食実施3ヶ月の腹部脂肪の減少と炭水化物摂取量の減少との関連付け
Tae Sasakabea, Hajime Haimoto, Hiroyuki Umegaki , Kenji Wakaia
目的:穏やかな低炭水化物食の有効性(M-LCD)は、血糖コントロール、体重、血清脂質プロファイルの観点から実証されている。我々は、内臓脂肪組織(VAT)及び皮下脂肪組織(SAT)について3ヶ月時点でのM-LCDの効果を調査し、2型糖尿病患者における腹部脂肪の減少と炭水化物摂取量の減少との関連性を調べた(T2DM)。
方法:76人の2型糖尿病患者(45人の男性と31人の女性、SD±平均年齢:59.5±11.1歳)について3ヶ月間、M-LCDを行うように指導した。我々は、ベースライン時と3ヶ月後の3日間の食事記録からコンピュータ断層撮影法と主要栄養素の摂取量を使用して、腹部の脂肪分布を評価した。
結果:M-LCDを遵守した患者では -%の炭水化物:%脂肪:%タンパク質においてベースラインと3ヶ月後にはそれぞれ、男性では51:27:15と41:33:18、女性では54:27:16と42:37:19であった。VATおよびSATは3ヶ月間で大幅に減少した(P for time < 0.001,両者とも)。炭水化物摂取(g /日)の減少および炭水化物の割合(%)減少は、VATの減少(%)と相関していた。
相関は男性において有意であったが女性では有意ではなかった(スピアマンの相関係数:男性:炭水化物摂取(g)および%炭水化物はr =0.402、r =0.469)(女性:r=0.269、0.278、)。男性における相関は年齢およびエネルギー摂取量の変化を調整し、重回帰分析をおこなっても有意なままであった。
結論:男性では炭水化物摂取量の減少が有意に3ヶ月のM-LCD実施におけるVAT減少と相関しており、エネルギー摂取の減少からは独立していた。
Metabolism. 2015 Jan 29. pii: S0026-0495(15)00031-1. doi: 10.1016
(http://www.metabolismjournal.com/article/S0026-0495(15)00031-1/abstract)