日本ローカーボ食研究会

日本ローカーボ食研究会

一律に制限することは間違い

「一律に制限することは間違い」


灰本クリニック 管理栄養士 渡邉 志帆 記

 最近では「ローカーボ食(糖質制限食)」がテレビや雑誌でも取り上げられ、コンビニや飲食店で糖質を減らした商品を多くみるようになりました。
糖質制限に関した本も多く、「1日の糖質量を○○gにしましょう!」と言った目標が書いてあるものも多いようです。
そのような状況なので、よく患者さんに「私は1日糖質を何gにしたらよいの?」と聞かれます。そのとき私は「元々摂取していた糖質量によるので全員一律に○○gと決めることはできないですよ。元々の糖質摂取量は皆さん異なるので、例えば初診の時に1日糖質量が600gと多い人もいれば、日本人の平均程度の260gの人もいてそれを「一律1日200gにしましょう」とすると600gの人は400gも減らさないといけなくて、260gの人は60g減らすだけでよくてそれって何かおかしいと思いませんか?」と話をします。すると「あぁ」と納得する患者さんと「でも、何gと決まっていた方がやりやすいよね?」と反応も様々です。現時点で、もっとも死亡が少ない1日の糖質摂取量の絶対値がまったくわかっていないので、これを適当に決めてしまうのは科学的とは言えません。
私たちが行っている指導法は「まずは食べていた主食(米、麺、パンなどわかりやすい糖質)をやめてみる」というもので、わかりやすく、やりやすいと思います。そして、糖尿病の場合、ヘモグロビンエーワンシーを0.5%下げたいときは70gの糖質を減らし、1%下げたいときは110g減らし、3%も減らしたいときは160g減らすというはっきりした目標を指示します。この目標値は私たちの多くの糖尿病患者の追跡から解析した結果で、海外の専門誌にも掲載されています。

 その後、患者さんが糖質制限を始めて少し経つ頃、細かい糖質量の話(主食以外の揚げ物の衣や調味料に含まれる糖質量)をするときに、「○○さんは元々夕食に200gのごはんを食べていましたよね?ご飯200gの糖質量は70gなので1日の糖質量から70g減らすことになります。70g減らしたのに他の物、例えばおかずの中でも糖質の多い餃子や、春巻き、ポテトサラダなどで50gの糖質をとってしまったら糖質制限ができているとは言えません。30~40gにできて△、20~30gにできたら○、10~20gにできたら◎と考えてください。糖質0gというのはとても難しく無理ですし、毎日◎も難しいと思います。◎の日を増やしていけるように一緒に考えていきましょう。」と伝えます。
 糖尿病の治療として長く糖質制限を続けるには「どの食品にどれくらい糖質が含まれているか?」に興味を持ち、少しずつ覚え、計算できるようになることが面倒に見えても「無理なく糖質制限を続けていく」一番の近道だと思います。覚えるのは、たとえば糖質量はラーメン一杯に70g、ご飯一杯に55gというように主な食品に含まれる糖質のgだけですからカロリー計算よりずっと楽です。
 患者さんと共に糖質を引き算した分、足し算してしまわないように、患者一人一人に合わせた栄養相談がうまくできればよいと考えています。

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