日本ローカーボ食研究会

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親バカ

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梶の木内科 医師 梶尚志 記

 私の愚息が今春、卒業し社会人となる。
はたして、無事に社会人生活を送れるのであろうか?
今時の学生は、卒業旅行だ、なんだと、学生生活最後まで、自由を満喫しているようだが、それも、あとわずか。厳しい世間の荒波の中で、もまれて成長していかなければならないのだ。
特に、医師の仕事は、人の命を預かるという重大な使命があり、いろいろな医療事故や事件の報道が連日なされる中、世間の目もより一層厳しいものになっている。
患者様や世間から求められていることに、十分答えていくためには、患者様のみならず、多種職の方々とのコミュニケーション能力も必要となるであろう。
コミュニケーション能力は、医師に限らず、社会人として生きていく上で、かなり重要な要素であると考えている。
ただ単に、話をすればいいってもんじゃなく、相手の言葉に傾聴し、共感し、いわゆる「空気を読む」ことが大切なのだと思う。そうやって、チームワークを築き、円滑に業務を行ってこそ、自分自身の能力も開発し、成長し、発揮できるようになるのだ。
学生時代に部活で先輩・後輩との人間関係は良好だったようだが、部活の人間関係は、いわゆる利害関係がないし、契約関係でもないし、責任もない。そのノリで社会人として向かって行くと、とんだしっぺ返しをくらうことも多々あるであろう。
特に医師という立場で、医療現場という狭い世間の中で、社会人1年生から先生、先生と呼ばれるにつれ、だんだんに勘違いをしながら大人になっていく人達も多い。
社会人1年生はいわゆる丁稚奉公なので、本来QOLを考えては修行できないのに、すでに、研修病院選択の段階で、「あそこの病院はQOLが良い」だの、「あそこの病院はブラックだ」などと学生の間でまことしやかに話題になること自体、そんな医師には、自分も診てもらいたくないと思ってしまう。
幸い、愚息は、研修医の時に救急がしっかり学べる病院で研修したいと、現在の就職先を選択したらしく、確かにそんな病院であったので、ホッとしている。
某広告代理店のような事件もあり、精神を病むような異常とも言える過重労働は確かに非難されるべき問題ではあるが、それでも1年生は、全てが自分の成長のための勉強であるから、多少の忍耐は必要であろう。
「新入社員は、つべこべ言わず、とにかく働け。走りながら考えよ。そして現場に学べ」と、とある有名社長は話しているが、少なくとも、愚息にはそう教えておきたい。
まあ、いずれにせよ、我が家を出て、全て1人で始めていくわけなので、親としての大きな役割はあと数日と考えて、後は見守るのみである。そして、医療過誤を起こすことなく、無事に他人から尊敬されるような医師になってもらいたいと願い、今までとは違った、息子の成長を期待しながら楽しみにしていきたいという、親バカの思いである。

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