日本ローカーボ食研究会

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111.甘い飲料に対する税金の影響:システマテックレビュー

The impact of the tax on sweetened beverages: a systematic review
Maite Redondo et al. Am J Clin Nutr 2018;108:548-563

背景:
 肥満は一般の人々の健康に重大な影響がある。砂糖飲料は肥満の爆発的増加に関係している。その制御は消費を減らすために一つの方法であり続けている。

目的:
 この研究の目的は消費、購入、販売への税金の影響に関連した証拠を統合することである。

デザイン:
 システマティックレビューは消費、購入、販売に対する国の対策をPubMed、コクランライブラリー、Web of ScieceおよびScopusを2011年から2017年まで検索した。エビデンスの質はCONSORTとRTENDに基づいて評価した。

結果:
 17の研究のうち、5つの研究はアメリカとメキシコの市、あるいは州による実験において税金の砂糖飲料への影響を評価していた。購買あるいは販売は8%の課税(バークレイ)、10%の課税(メキシコ)にともなって減少することが示された。一つの研究は、ソーダ水に5.5%の課税を立法化した2つの州においては販売への影響は見られなかった。12の研究は、仮想的あるいは実験的な条件に基づいており、購買行動あるいは販売あるいは意図的行動を評価していた。その結果は、購買行動、販売、意図的な購買行動を減少させるが、それは課税率に応じて差があった。

結論:
 課税は明らかに販売へ影響するし、健康的な飲料の購買の可能性を増加させる。砂糖飲料への課税はカロリーと砂糖摂取を減少させる可能性があるが、食事の質への影響を評価する研究がさらに必要がある。

感想:
 砂糖飲料(飲んだら甘い飲料)は海外では肥満と糖尿病、日本では糖尿病発症や血糖コントロール悪化の元凶であることは医療関係者には周知の事実であるが、一般の人たちにはまだまだ周知されていない。たとえば、スポーツ飲料、乳酸菌飲料、甘酒、甘い野菜ジュースなども立派に砂糖飲料で糖尿病を極端に悪化させるが、健康だと錯覚している人も多い。これらの企業の収益があがればあがるほど糖尿病治療医療費が増加するのだから、企業に課税するのは当然である。ハーバード大学を中心に多くの大規模観察研究の結果から、砂糖飲料に課税すべきという強力な主張はアメリカの見識ある学者から提案され、その結果、カルフォルニア州バークレーとメキシコ全土で実験的課税がなされてきた。残念ながら、日本ではアメリカほど見識が高い研究者はいない。
予想通り、ある程度の課税率を超えると購入、販売は減ることが明らかとなった。最近、ヨーロッパの一部でも課税が始まると聞いた。砂糖飲料のメーカーはグローバル企業がほとんどなので、欧米の実験が成功すれば、日本の糖尿病学者が頼りなくても、課税が開始になる可能性は高い。2018年のJAMAには10%の課税で購買は10%減ると試算されている。もし、日本でも10-20%も課税されるなら糖尿病の発症や悪化が激減すると予想できる。早くそのような時代が来てほしいものだ。

(医師 灰本 元)

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