日本ローカーボ食研究会

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108.乳児発症の脊髄筋萎縮症(SMA)におけるヌシネルセン(スピンラザR)対プラセボ

Nusinersen versus Sham Control in Infantile-Onset Spinal Muscular Atrophy.
Finke RS, et al. N Engl J Med. 2017 Nov 2;377(18)1723-1732. Doi: 10. 1056/NEJMoa172752.

【目的】
 乳児発症のSMA対するヌシネルセン(疾患修飾薬)の有効性についての検討。

【方法・結果】
 この研究は、乳児発症のSMAにおけるヌシネルセンの安全性について無作為化、二重盲検、プラセボ対照の第3相試験を行っている。主要評価項目は、運動機能の評価と無イベント生存率(死亡または永続的換気補助 までの期間)。副次評価項目は、全体的な生存率と評価時の疾患罹患期間における無イベント生存率の部分群分析。結果として後述する中間分析の結果により、主要評価項目の運動機能のみ検討を行った。タイプⅠエラー(偽陽性)を0.05に調整するため、最終分析において主要評価の無イベント生存率と副次評価の階層的検定を行った。

 中間解析で ヌシネルセン群が 統計学的に明らかな優位差を持って運動機能の評価が高く[ヌシネルセングン群:51人中21人(41%)、対照群:27人中0人(0%)、P<0.001]、早期の治験終了に至った。最終分析でも、ヌシネルセン群が 統計学的に明らかな優位差を持って運動機能の評価が高く[ヌシネルセン群:37人中73人(51%)、対照群:37人中0人(0%)]、無イベント生存率の尤度比はヌシネルセン群で高く[死亡または永続的換気補助のハザード比は0.53(p=0.005)]であった。全体の生存の尤度比はヌシネルセン群で高く[生存のハザード比は0.37(p=0.004)]、評価時の罹患期間が短い乳児ほどヌシネルセンの効果が高かった。両群において副反応の重症度の発生率に優位差は認めなかった。

【結論】
 ルシネルセン群はコントロール群に比較し、生存率が高く、運動機能の改善が高かった。薬剤の効果を最大限に発揮するには早期治療が必要である。

【読後感想】
 SMA の患者さんとその家族に朗報である。日本におけるSMA全体の罹患率は10万人あたり1?2人であり、乳児期に発症する最重症SMAの発生率は出生2万人あたり1人前後と言われている。SMAはSMNタンパク質の欠乏により、下位運動ニューロンが変性し、四肢や体感の筋萎縮をもたらす、常染色体劣性遺伝の神経筋疾患である。今まで乳児発症SMAの生存期間の中央値は7.4ヶ月と予後不良であった。ヌシネルセンは、SMAに対する疾患修飾薬で、AMN2 mRNAをターゲットとするアンチセンスオリゴヌクレオチド(ASO)で、完全長の機能性SMNたんぱく質を増加させる。早期診断・早期治療が神経学的な予後に大きく影響を与えるため、乳児期にフロッピーインファント(筋緊張の低下)を疑った場合、SMAも鑑別に入れ、 積極的に遺伝子検査を行っている施設に相談する必要がある。

(医師 蟹江健介)

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