日本ローカーボ食研究会

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3.一般的日本人男女集団における乳製品消費量と心血管疾患による死亡

日本人では乳製品の食べる量が増えると心筋梗塞や脳梗塞による死亡が減ります。
「NIPPNON DATA80に登録された一般的日本人男女集団における乳製品消費量と心血管疾患による死亡」
Consumption of Dairy Products and Death From Cardiovascular Disease in the Japanese General Population: The NIPPON DATA80 Kondo, I. et al. for the NIPPON DATA80 Research Group (2013) J Epidemiol 23: 47-54

背景:最近の欧米の研究によると、牛乳や乳製品の摂取と心血管疾患(CVD)との間に逆相関が見られる。私たちは、日本における牛乳および乳製品の消費量と心血管疾患死との関連を調べた。

方法:30歳以上の男女を24年間追跡した。全ての人が1980年に全国300の保険地区で実施した国民健康栄養調査に参加していた。 Cox比例ハザード統計モデルを用い、牛乳や乳製品の摂取量をもとに三つのグループに分ける3分位値モデルにより高消費グループを基準として死亡リスクを評価した。 消費量の増加100g/日に伴うハザード比も推定した。

結果:24年間の追跡期間中に、9243名の参加者のうち893名が心血管疾患(CVD)により、174人が冠動脈性心疾患(CHD)により、417名が脳卒中により死亡した。女性の乳製品の低消費グループでは、CVD、CHDおよび脳卒中による死亡ハザード比(HR)は、それぞれ、1.27 (95% CI[ 信頼区間]: 0.99–1.58; 傾向有意水準P = 0.045)、1.67 (0.99–2.80; P = 0.02) および1.34 (0.94–1.90; P = 0.08) であった。これらハザード比は、年齢、BMI、喫煙の状況、飲酒習慣、糖尿病歴、高血圧薬の使用、職種、総エネルギー摂取量の違いにより補正した。女性では、牛乳や乳製品の消費量が100g/日の増加に伴って、死亡のハザード比がCVDで 0.86( 95%CI, 0.74–0.99)、CHDで0.73(0.52–1.03)、脳卒中で0.81(0.65–1.01)と減少傾向にあった。 男性では有意な相関は認められなかった。

結論:日本の女性では、牛乳および乳製品の消費量は心血管疾患(CVD)による死亡と逆相関していた。

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