日本ローカーボ食研究会

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9.200万人のBMIと認知症の関係

常識が覆る 第二弾: 痩せるほど認知症になりやすく、太るほどなりにくい
20年間,200万人におけるBMIと認知症リスク: 後ろ向きコホート研究
BMI and risk of dementia in two million people over two decades: a retrospective cohort study (Nawab Qizilbash, John Gregson, Michelle E Johnson, Neil Pearce, Ian Douglas, Kevin Wing, Stephen J W Evans, Stuart J Pocock.   Lancet Diabetes Endocrinol (2015) 3: 431- 436.)

背景:認知症と肥満は公衆衛生上ますます重要な課題となっている。中年期の肥満は老年期に認知症を招くと考えられてきた。そこで私たちはBMIと認知症リスクの関係について研究した。

方法:この後ろ向きコホート研究のため,私たちはUnited Kingdom Clinical Practice Research Datalink (CPRD) に由来する1,958,191人のコホートを用いた。
対象者は40歳以上でBMIが1992年から2007年まで記録されている者とした。追跡は,調査データ収集の最終日,患者の死亡または引っ越しによる追跡不能,初めて認知症を記録、のうちどちらか早く起こった日まで行なった。すでに認知症の記録がある患者は除外した。各BMI区分における認知症の発症頻度を計算するためPoisson regressionを用いた。

結果:対象者1,958,191人の平均年齢は登録時で55歳(IQR 45-66)であり,平均 9.1年(IQR 6.3-12.6)追跡した。認知症は45,507人発症し,発症率は1000人・年当たり2.4人であった。健康体重の人に比べ,低体重の人(BMI < 20)は34%(95%CI 29-38)も高い認知症発症リスクがあった。さらに,認知症の発症率はBMI区分が上昇するごとに連続して減り続け,最も肥満の人(BMI>40)では健康体重の人に比べて29%(95%CI 22-36)も低かった。これらの傾向は20年の追跡期間中一貫して続き、可能性のある交絡因子やBMIと死亡率のJカーブ関係に由来する誤差を考慮しても変わらなかった。

解釈:中年期と老年期に低体重であることは、20年に亘る認知症リスクの増加を伴う。私たちの結果は,中年期の肥満は老年期の認知症リスクを増加させるという仮説を否定するものである。今回の調査結果が出た理由と公衆衛生に及ぼす影響については、さらに研究が必要である。

読後感想
従来,肥満は認知症の危険因子と考えられ教科書にも記載されています。この論文は膨大な人数と年数を調べ上げて,見事にBMIと認知症を関係を証明しました。付録には生年別のデータも記載され,20世紀前半に生まれた人たちのデータもあります。今までのデータはおそらく人数が少なすぎたバイアスによるのでしょうか。著者がよほど恣意的でない限り,このデータを覆すのは困難でしょう。たった一つの論文が世の中の常識を覆すという意味で,自然科学の醍醐味を感じさせます。著者の方々に脱帽とともに乾杯!

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