日本ローカーボ食研究会

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第5回学術総会参加者の印象記4

学術総会参加の印象記

梶の木内科医院  内科医  梶 尚志

 今回の学術集会の第1部は、灰本先生が海外の論文投稿でご苦労された経験を話されたことから始まりました。実は、前日の夜に今回の学術集会のプレセミナーの様な、聖路加国際病院の能登 洋先生の講演もあり、EBMに関して学んだばかりだったので、査読者の思惑も含めて、とても新鮮かつ面白く聴講いたしました。
 第二席の米田先生のご講演も、手術のためにローカーボを行なうという、考えてみれば理にかなった食事指導と経験をご呈示いただきました。米田先生のように医学的根拠に基づいて行なわれる方法は、いわゆる「ダイエット外来」などという怪しげなものとは一線を画するものとして、今後の外科医療のみならずメタボ診療に一石を投じるものではないでしょうか。
 第三席の加藤先生の果糖の講義は、果糖に対する考え方を生化学的に解説いただくもので、帰宅後生化学の教科書をもう一度読み返してしまいました。このような基礎的な内容をしっかりと知ることは、患者指導に深みを増すものであり、とても大切なことに思います。学術集会にふさわしい講義であったと感じました。
 ランチョンセミナーは、日テレオープラス様からご提供いただいた低糖質メニューでのランチの後行なわれました。その際のランチのお味は、とても美味で、特にカレーが絶品でした。カレー好きの私にはたまらず、辛さといい中のチキンもとても質のよいもので、これは味にこだわる方が多いDM患者様にお勧めできる商品だと思いました。肝心なセミナーは、篠壁先生のフィリピンでの研修をご紹介いただきましたが、日本以上に「米」中心、さらに「糖質過多」という、フィリピンの食文化に、とても驚きました。その割に、当院に来院されるフィリピンの患者様は、みな肥っていないなぁ・・・・とも思いました。
 第二部は管理栄養士の皆さんでのパネルディスカッションでした。みなさんそれぞれの経験を、お話くださり、どれも、実体験に基づくリアルなお話ばかりで、私だけでなく当院の管理栄養士にとっても、明日からの診療や指導につながるとても良い経験をお話くださりました。やせて困った症例、自己血糖測定の勧める方法は、頭の中に、実際の自分の患者様の姿が浮かんできました。ロールプレイもスタッフの指導方法としては理想的なスタイルですが、当院では道のりが遠そうです。
このように常に学ぶことが多い毎回の学術集会です。次回も楽しみにしております。

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