日本ローカーボ食研究会

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84.BMIが異なる一卵性双生児における心筋梗塞、総死亡、糖尿病のリスク

BMIが異なる一卵性双生児における心筋梗塞、総死亡、糖尿病のリスク
Risks of Myocardial Infarction, Death, and Diabetes in Identical Twin Pairs With Different Body Mass Indexes
Nordström, P. et al.
JAMA Intern Med :10.1001/jamainternmed.2016.4104  

重要性:観察研究は肥満が心血管疾患と総死亡の主要なリスクファクターであることを示している。が、これらの連関における遺伝的交絡の程度は明らかではない。

目的:BMIが一致しない一卵性双生児について心筋梗塞、2型糖尿病、総死亡のリスクを比べる。

デザイン・設定・参加者:「スウェーデン双子登録」データからBMIが不一致(0.01以上の違い)の4046組の一卵性双子のコホートを特定した。この研究は1998年3月17日~2003年1月16日まで行われ、発症に関しての追跡期間は2013年12月31日まで。

主要評価項目と尺度:心筋梗塞又は総死亡の複合第一次エンドポイント、糖尿病発症の第二次エンドポイントは多変量の条件付ロジスティック回帰分析を使い一卵性双子を対象に遺伝要因を統制した分析(a co-twin control analysis)を行い、より太った側とより痩せた側を比べて評価した。

結果:両コホートの平均ベースライン年齢は57.6(SD=9.5)歳(範囲は41.9-91.8歳)であった。平均追跡期間12.4(2.5)年の間に、203例の心筋梗塞(5.0%)と550例の死亡(13.6%)がより太っている双生児(平均BMI、25.9 [SD=3.1])で起こった。これに比べより痩せている双生児(平均BMI 、23.9 [3.1])では209例の心筋梗塞(5.2%)と633例の死亡(15.6%)がみられた(複合多変量調節オッズ比[OR]、0.75;95%信頼区間、0.63-0.91)。BMIが30又はそれ以上が65組もいるBMIの差が7.0又はそれ以上(平均、9.3)の双子でも、太った側の双生児で心筋梗塞又は総死亡のリスクが高くなることはなかった(オッズ比0.42;95%信頼区間0.15-1.18)。これとは対照的に、双子のコホート全体では糖尿病の発症リスクはより太った側の双生児で高かった(オッズ比2.14、95%信頼区間、1.16-2.84)。最後に、ベースライン以前となる30年前からのBMIの増加は心筋梗塞または総死亡のリスクとは関係しなかった(オッズ比0.97:95%信頼区間0.89-1.05)が、糖尿病発症リスクとは関係した(オッズ比、1.13:95%信頼区間1.01-1.26)。

結論と関連性:一卵性双生児の観察で、高いBMIが心筋梗塞又は総死亡のリスクを上げる事とは関係していなかったが、糖尿病の発症とは関係していた。これらの結果は、ライフスタイルに介入して肥満を減らせば心血管疾患又は総死亡のリスクより糖尿病のリスクを減らすのにより効果があることを示唆しているのかもしれない。

読後感想
一卵性双生児を使って遺伝的背景を同じにする解析により肥満になるほど糖尿病が増えるが心血管症の発症や総死亡は変わらないことが分かった。他の大規模研究にもとづく肥満パラドックスの論文報告も加味して考えると、糖尿病にならないよう気をつけて小太りを保ことが一番よいのかもしれない。(薬剤師 松岡武徳)

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