日本ローカーボ食研究会

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60.妊婦の体重変化

連続的な妊娠中の体重の変化と死産のと乳児死亡のリスク 全国的なコホート研究
Weight change between successive pregnancies and risks of stillbirth and infant mortality: a nationwide cohort study  Sven Cnattingius et.al Lancet 2016; 387: 558–65 doi.org/10.1016/

景:母方の過体重と肥満は死産と乳児死亡のリスク因子である。母方の体重の一時的な変化がこれらのリスクに影響を与えるかどうかは不明である。私たちは1回目から2回目による妊娠中のBMIの変化が、2回目の出産で死産と新生児と乳児と乳幼児の死亡リスクに影響を与えるかどうかを調査することを目的とした。

方法:スウェーデンで、1992年1月1日~2012年12月31日の間に1番目と2番目の子供を授かった女性の人口集団コホートで、私たちは1回目と2回目の妊娠による妊娠初期の間のBMIの変化と、2回目の妊娠後の死産と、新生児と新生時後(産後1~3ヶ月)と乳幼児(1歳以降)の死亡のリスクとの間の関連を調査した。BMIの変化のカテゴリーによるそれぞれの結果の相対リスクは2項式回帰によって計算された。

所見:完全な情報は、研究期間中に1回目と2回目に1人を出生した587710人の女性のうち456711人(77.7%)が利用された。妊娠中に安定的なBMIの女性(‐1㎏~+1㎏の変化)と、少なくともBMI4単位増えた女性による調整された相対リスクは、死産が1.55(1.23-1.96)、乳幼児の死亡が1.29(1.00-1.67)であった。死産のリスクはBMIの増加によって直線的に上昇した。2回目の妊娠での乳幼児の死亡のリスクは、1回目の妊娠中に健康的なBMIの女性において、2回目の妊娠でBMIの増加によってのみ上昇した。BMI2~4単位上昇した健康体重の女性による調整された相対リスクは1.27(1.01~1.59)、BMI4単位以上増加相対リスクは1.60(1.16~2.22)だった。過体重の女性では、妊娠前の体重減少が新生児死亡のリスクを減らした。

解釈:私たちの所見は健康または過体重の女性において妊娠前の体重増加を防ぐ必要があり、過体重の女性では体重減少が促進されるべきであるということを強調する。

読後感想:今回は第1子から第2子にかけての母体のBMIの変化が、第2子の出産リスクの影響を検証した論文を読みました。理由は妻が第二子を妊娠していたため。興味があったのでこの論文を選びました。一貫性があったのは第一子の妊娠と第二子の妊娠時のBMIが上昇すると、直線的に増加した。また、第一子の妊娠時のBMIが25未満と健康な女性の場合、第二子の妊娠時にBMIが上昇すると乳幼児期の死亡率が上昇した。一方で、BMI25以上の女性の場合、第2子の妊娠時にBMIが減少した女性の場合はリスクを新生児の死亡リスクを減らしていた。気になったのは第1子妊娠時にBMI25未満だった女性が、第二子の妊娠時にさらにBMIが下がっていた場合の新生児、新生児後、乳児の死亡率が上昇していた。これは論文中に記載はなかった。痩せすぎもいけないことも考えられる。(木原 丈晴)

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