日本ローカーボ食研究会

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203.2型糖尿病患者におけるメトホルミンとビタミンB12との関連性:システマティックレビューとメタ解析

Association between metformin and vitaminB12 deficiency in patients with type 2 diabetes: A systematic review and mata-analysis
L.E. Chapman et al. Diabetes & Metabolism 42 (2016) 316-327

【目的】
 メトホルミンは最も広く使用される糖尿病治療薬であるが、ビタミンB12を低下させる可能性があり、それは重要な臨床的影響をもつだろう。我々は、2型糖尿病患者におけるメトホルミンの服用とビタミンB12欠乏症との関連性についてシステマティックレビューおよびメタ解析を行った。

【方法】
 電子データベースの検索は、Cochrane library、Scopus、CINAHL、Grey literature databases、Pub Med Central、NICE Clinical Guidelines UK、および現在進行中の臨床研究を用いて行った。このシステマティックレビューおよびメタ解析には、あらゆる試験デザイン、あらゆる年齢あるいは性別、メトホルミンのあらゆる用量あるいは服用期間の2型糖尿病患者から得られたデータを有する研究が組み込まれた。計画した主要評価項目は、血清ビタミンB12値、ビタミンB12欠乏症の有病率あるいは発症率、ビタミンB12欠乏症リスクであった。

【結果】
 26編の研究論文がこのレビューに含まれた。17のうち10の試験がメトホルミン非服用患者よりメトホルミン服用患者でビタミンD12値が統計学的に有意に低いことを示した。4つの試験に関して行ったメタ解析によって、全体的にメトホルミン服用後6週間から3か月で平均57pmol/L[WMD(fixed)=-0.57(95%CI:-35--79pmol/L)]という統計学的に有意なメトホルミンによるビタミンB12低下効果が実証された。

【結論】
 このレビューから得られたエビデンスによって、メトホルミン服用と57pmol/LのビタミンB12値の低下との関連性が証明され、そのビタミンB12低下効果は2型糖尿病患者において明らかなビタミンB12の欠乏あるいは境界域までの低下を導く。この研究結果は、ビタミンB12欠乏のリスクが増加するメトホルミン服用患者ではビタミンB12値をモニタリングすることが賢明であることを示唆する。

【読後感想】
 メトホルミンの副作用としてのビタミンB12欠乏症は、添付文書にも記載があり、数々の文献も存在するが、実際はあまり知られていない。しかし、ビタミンB12欠乏症は巨赤芽球性貧血を引き起こし、また手足のしびれといった末梢神経障害の原因となるため、臨床上から見ても重要な副作用であると捉える必要がある。また、ビタミンB12欠乏による末梢神経障害は、糖尿病性神経障害との判別が難しいため、手足のしびれといった臨床症状に直面すると後者の方に考えが向いてしまうが、この場合アルドース還元酵素阻害薬であるエパルレスタットは効果がない。もともとエパルレスタットが著効した例はあまり経験がないが、原因はビタミンB12欠乏だった可能性もある。メトホルミンを長期に服用する患者に対して、処方する医師だけでなく服薬を管理する薬剤師も臨床症状と共にビタミンB12の数値を定期的にモニタリングする必要がある。

(薬剤師 北澤雄一)

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