日本ローカーボ食研究会

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8. 閉経後の女性におけるPPI服用が大腿頸部骨折と骨密度の変化にもたらす影響

PPI長期服用第2弾 骨折!!
閉経後の女性におけるPPI服用が大腿頸部骨折と骨密度の変化にもたらす影響
「Proton Pump Inhibitor Use, Hip Fracture, and Change in Bone Mineral Density in Postmenopausal Women  Results From the Women’s Health Initiative   (Shelly L. Gray, Andrea Z. LaCroix, Joseph Larson, John Robbins, Jane A. Cauley, JoAnn E. Manson, Zhao Chen.  Arch Intern Med (2010) 3:765-771.) 

背景:プロトンポンプ阻害剤(PPI)による治療は骨粗鬆性骨折との関係性が一貫していない。そこで、PPIの服用と骨への影響(骨折・骨塩量)を調べた。

方法:今回の前向き分析の対象は、50〜79歳の161,806人の閉経後の女性で、股関節骨折の既往歴は無く、女性の健康行動計画(WHI)が平均7.8年(SD=1.6年)追跡して行った観察研究及び臨床研究に登録されている。分析は、調査情報が揃っている130,487人の女性について行った。薬物治療情報は個別面談中に薬物容器から直接入手したに(基本、年3回)。主な評価項目は、自己報告された骨折履歴(大腿頸部[診断済み]、背椎、前腕か手首、および全ての骨折と、3つの骨密度測定部位で2次標本として3年間の骨塩量の変化。

結果: 1,005,126人・年の追跡期間中、1500件の股関節骨折、4881件の前腕又は手首の骨折、2,315件の背椎骨折、そして、21,247件の総骨折が起きた。PPIの使用による多変数量補正ハザード比は股関節骨折で1.00(95%信頼区間 [CI, 0.71-1.40]、背椎骨折で1.47(95%CI, 1.18-1.82)、前腕か手首の骨折で1.26(95%CI, 1.05-1.51)、総骨折で1.25(95%CI, 1.15-1.36)であった。骨塩量の測定値はPPI使用者と不使用者とで違いが無かった。PPIの使用は、大腿頸部における3年間の骨塩量の変化と僅かに関連していた(P=0.05)、しかし他の部位では関連がなかった。

結論:PPIの使用は、股関節骨折とは関連していなかったが、背椎骨折、前腕や手首の骨折、総骨折とは、強くはないが関連していた。

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