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一植物生理学者が見た糖尿病(4) -人類とデンプン-

投稿日時: 2013/05/24 20:46:00

加藤 潔記

ヒトとデンプン食との関わりから見える2型糖尿病とその食事療法について
-人類とデンプン-

 生物の歴史は、極論すれば如何に食料を得て個体の生存と世代交番による種の繁栄を図るかにあり、誕生以来常に食料獲得の闘いで、ヒトもその例外ではなかった。人類は、農耕の発明により、エネルギー源であり生体構成分子に炭素骨格を供給するブドウ糖の貯蔵態であるデンプンを安定的に生産する術を得た。これを基盤に文明を起こして更なる農業生産の拡大に成功したことが、人類に今日の繁栄をもたらした。自然環境に恵まれ肉食中心の食文化を発展させることができたヨーロッパでも、人口増を底辺で支えたのはデンプンである。

 16世紀に南米から持ち帰った生産性が高く寒冷な気候に耐えるアンデス原産のジャガイモが、その後のヨーロッパの人口増に果たした役割は大変大きい。19世紀中頃に全ヨーロッパで蔓延した疫病菌の感染によるジャガイモ生産の壊滅的打撃が、アイルランドで100万人の餓死者と200万人の島外移民を生んだ大飢饉の主要な原因の一つとなった。因みにジャガイモは当初、発芽芋でアルカロイド中毒が起こり、聖書に記述がなく種芋により増える、との理由から「悪魔の作物」として忌避されたという。現在ではトウモロコシ、コムギ、イネと並ぶ世界四大作物に列せられ、多くの人々を飢餓から救っており、国際ポテトセンターは南米ペルーのリマに本部を構えている。

 20世紀になっても、世界人口の爆発的増大による食料供給の逼迫問題に、コムギ及びイネに半矮性(草丈が低く高収量)品種を導入し、化学肥料及び農薬を投入することで穀物収穫量の飛躍的増大が実現した(1944年~1960年)。これは緑の革命(Green Revolution)と呼ばれ、世界の人口問題にとりあえずの猶予をもたらした。
ヒトの体にとっても飢餓に如何にして備えるかは、常に最重要課題の1つで、人体は代謝を二重三重に切り替えて対処する調節系を発達させている。それ故、2型糖尿病(T2DM)の発症に深く関わる過剰な栄養摂取と超長寿命という今日の事態は、生物学的には想定外であったに違いない。その意味で、食料の絶対摂取量が一時的に大きく低下した大戦末期前後(1940年~1945年の食糧配給時代)のノールウェイで、新規のT2DM患者の発症率が約1/6に激減したとの調査報告(1966)は注目に値する。

 食料の獲得に関してより厳しい条件下での生活を余儀なくされたモンゴロイドが、摂取栄養を機会ある毎に節約して貯蔵に回すことで、飢餓の危機に備える代謝系を集団に定着させてきたとしても不思議ではない。デンプン食への依存度が高くても、T2DMの発症には至らない厳しい生活環境下で、節約遺伝子群を選択し定着させてきた民族が、近代化に伴う食生活と生活習慣の欧米化に接してT2DMの急増に悩まされることになったのは、避けがたい必然の結果で、適応には長い時間を要する事態といえよう。

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