日本ローカーボ食研究会 -科学的食事療法による糖尿病・メタボリック症候群の治療-

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世話人から見た第1回学術集会の印象記

投稿日時: 2011/07/31 11:17:00

中村 了記

20011.7.24に、当会の第一回学術集会が開催されました。日本ローカーボ食研究会にとっては、歴史的な第一歩であったわけですが、さて、私のような世話人という名札がついていながら一小市民としての参加意識にすぎない者の目から、この会はいったいどのように見えたのでしょうか。

2011.7.24の日曜日。それは、日本ローカーボ食研究会の大いなる第一歩が踏み出される晴れがましい日であった。どのような考え方でローカーボ食が推進されていくのか、どのような議論がなされていくのか、どのようなメンバーが集まるのか、すべてが14:00からの第一回目の学術集会で明らかになるのである。一方、私は少々憂鬱であった。晴れがましい舞台が似合わない上に、ローカーボ食の講演なんて、ほとんどやったこともなし。なんとも複雑な心境のまま、安保ホールの会場に入った。

会場に開始30分前の13:30に到着した時には、今回の学術集会を力強くバックアップしてくださったクラシエ薬品の方々や灰本クリニックのスタッフの方を中心に、会場の準備が粛々と進められていた。まだそのときは、会場内に参加者の人影はまばらだった。ところがその後から、あれよあれよという間に席が埋まっていった。30人を超えるくらいの小さな会で船出するのだ、と聞いていたのに、15分も経つか経たないかのうちに会場は満席に近くなり、補助椅子を並べる始末。70人を超える盛況となってしまった。いよいよ私は、場違いなところに来てしまったものだ、と気づくも、いまさら引き返すわけにもいかず、悪い汗がにじみ出た。ただ、どうやら、管理栄養士の方々を中心に、医師、看護師が集まってきているらしい。。。職種を超えた研究会というのも、私にとっては珍しいことで、貴重な機会かもしれない、とも思い返した。

14:00になった。まだ受付の人たちのやり取りが収まらぬ中、司会の安井先生の開会の宣言とともに、静かに会が始まり、基調講演へと移っていった。一番バッターの本会世話人代表の灰本先生の、いつもながらに気迫のこもったマシンガントークは、私にとってはいつも拝聴しているお話の内容とはいえ、それでもなお頭の中が忙しくなる内容の濃さで、圧倒されるものであった。ローカーボ食のこれまでの流れ、ハイカーボ食との比較という基本を踏まえたお話しから始まり、最近の大規模長期観察研究をもとに動脈硬化性疾患による死亡と癌による死亡と、すなわち、人の死を全角度から見据えたうえで、その食事戦略を練ることが大切であるとの見解に、正に臨床家の取るべきスタンスを示していただいたと思う。そして、完全ローカーボ(完全炭水化物カット)に片寄るのではなく、かといって、ハイカーボに固執するのではなく、その中間を狙った“日本型ローカーボ食”の提案をされたことは、今後、本会が進むべき方向性の有力な選択肢をお示しいただいたものと理解した。

頭が忙しくなっているうちに、私の番が来てしまった。大リーガーの強力打線で一番・三番・四番打者が組まれている中で、新人王狙いの駆け出しの二番打者が出ていく気分で、なんともプレッシャーのかかる持ち場だった。私の担当は“症例提示”であった。ちょっと風変わりな症例も交えてみたが、私のような管理栄養士の少ないクリニックにお勤めの方々に、日常臨床におけるローカーボ食の位置づけ・雰囲気が伝わったのであれば、望外の喜びである。

三番打者は、名古屋大学名誉教授の加藤先生で、ご自身の糖病歴を見事にデータ化されたお話で、その中で、患者の気持ちの移り変わりなどに触れて頂いたのは、医療従事者にとって大変参考となるお話であったかと思う。また、20年余にわたりデータを蓄積しておられたのは、やはりご自身の科学者としての客観的な目と探究心のなせる技なのであろう、お仕事以外の分野においても変わらぬスタンスを貫いておられることに、科学者としての凄みを感じさせられた次第である。

四番打者は、世界の心臓血管外科医、米田先生である。外科医が食事療法に興味を持つ、という事実が、そもそも大きな驚きだったのだが、米田先生のお人柄に接するに従い、そのことが驚きよりは、むしろ自然なのだと感じられるようになった。というのも、米田先生は、術前の受診者の体調のコントロールに始まり、手術はもちろんのこと、術後における内科的疾患も含めたアフターケアも重要視しておられ、そのすべてが長期の生命予後にも関わるのだ、ということを再三口にされている。臓器別の医師にもいろいろな人がいて、ともすると、自分の専門外の臓器以外には興味を持たれない方も多い中、米田先生におかれては、受診者を臓器としてではなく、人そのものとして全人的にマネージメントされる、そんな臨床マインドを感じさせられる。そのことが、総会の講演の中で具体的なお話しとして示されていたのだ、と思う。しかも、御趣味の写真をフルに生かされた風光明美なスライドは、ヒートアップした頭の中を涼しくしてくださった。

さて、私にとってのメインイベントは、村坂先生のお話であった。自らを題材に、アルコール負荷試験をされたそのお話は、一例報告とは言え、私の臨床医学上、欠かすことのできないデータとなった。予想通り、甘みの少ない・糖質の少ないアルコールであれば、蒸留酒・醸造酒にかかわらず飲用後血糖は上がらない。すでに、“辛口ワインはOK”と勘で指導していた私には、最強の援軍である。意外であったのは、日本酒でも、飲用後血糖がわずかしか上昇していなかったことである。日本酒は、その旨味というのが辛口日本酒であっても糖質からきているのではないか、と漠然と想像していた。講演後、村坂先生に実験の際に使用された日本酒の内容で直接おうかがいしたところ、使用した日本酒はやや辛口とのことであった。日本酒ですら辛口であれば血糖を上昇させないかもしれない、という事実は、さらに私の酒飲み指導に幅を持たせてくれることになりそうである。

最後を飾ったのは、すでにローカーボ食講演はベテランの篠壁先生のお話であった。管理栄養士という立場から、組織だったローカーボ食の指導方法の実際をお示しいただいた。初めに、パンフレットでしっかりと視覚に訴える指導をされる方略は、多くの管理栄養士の方々に参考になったものと思われる。また、お得意の“栄養表示の見方”のお話や、調味料が落とし穴になるお話も実践的で、翌日からの栄養指導に即利用できるものが多かったのではないだろうか。また、篠壁先生はとても研究にも熱心で、灰本クリニックの存立する春日井地方のローカーボ食の傾向を調査され、日本人とはいえ、ローカーボ食を進めていくと、肉系統のたんぱく質や脂質が増え、魚系統が増えるわけではない、ということもお示しいただいた。今後のローカーボ食の課題も提供していただいたと思う。

その後、一呼吸おいてシンポジウムが行われた。様々な意見や感想が持ち上がった。下関からおいでの管理栄養士さんがおみえとは、たいそう驚きであったが、お一人で苦闘されている様は、かえってわれわれに勇気を下さったと思う。また、ハイカーボ食とローカーボ食との併存は矛盾しない、という米田先生のコメントも示唆に富んでいると感じた。そして、灰本先生が、ローカーボ食にはまだまだ問題点やわかっていない点が多く、それを明らかにしていくことが本研究会の責務である、と発言されたことも重かった。東は東京、西は下関からお集りになった方々に、ローカーボ食に関する様々なパール(金言)があったのではないだろうか。それをまた、日本各地に持ちかえって広めていただけるものと確信している。

終わってみれば、朝の気分とは違い、記念碑的な一日になった。いろいろと問題山積のローカーボ食ではあるけれども、それを軸に、問題点を克服しながら、他の栄養指導法の良いところも素直に取り入れて、受診者その人の人生全体に資するような食事療法を育て上げていく、そのことが、本研究会のこの上なく意義深い仕事になるに違いない。

追記:初対面同士の方が多いはずなのに、あんなに最後まで盛り上がっていた懇親会は、初めてでした。また、ローカーボ食品をご紹介いただいた楽園フーズさん、クラシエフーズさん、大塚食品さん、エスピートーアさん、グリコさん、ありがとうございました。

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