安井 広迪記
-仮題『正しく知る糖質制限食(ローカーボ)』出版に向けて-
二つの章にわたって、ローカーボ教科書を編纂するまでの道のりと教科書の内容について安井先生が解説してくれました。前回第一章はローカーボの背景を中心に解説しました。
今回は第2章 教科書の内容とその意義です。
安井 広迪 , 灰本 元記
-仮題『正しく知る糖質制限食(ローカーボ)』出版に向けて-
二つの章にわたって、ローカーボ教科書を編纂するまでの道のりと教科書の内容について安井先生が解説してくれました。
第一章はローカーボの背景を中心に解説しました。第二章は内容とその意義です。
それでは、第一章から始めましょう。
灰本 元記
2012年末の盲腸到達率は98%、男では平均4分30秒、女では6分弱、平均すると5分30秒まで上達している。さらにいろいろな工夫を重ねた成果である。NHK番組プロフェショナルに登場した昭和大学藤ヶ丘病院の工藤先生は5分らしいとテレビを見た看護師から教えられた。
灰本 元記
-その3 転換期-
柴山君と二人三脚が始まって5年も経過した頃、全例でストップウオッチを使って到達時間を記録してエクセル管理とすることを私から提案した。この頃おそらく、盲腸までの平均挿入時間は6~7分に到達していた。私にも少し自信がついて平均4分40秒の北野先生はどんな世界を生きていたのか、知りたくなってきた頃である。それに男女差、内臓肥満の有無などが影響するかどうかも知りたかったので、管理項目はそのほかに男女、年齢、腹部の手術、腹囲なども記載した。
加藤 潔記
ヒトとデンプン食との関わりから見える2型糖尿病とその食事療法について
-2型糖尿病(T2DM)と食事制限-
栄養が過剰であるか否かは摂取栄養及び運動の質と量とが関係し、ヒトの生活習慣及び年齢に大きく依存する。従って、足るを知る食事と適度な運動はT2DMの発症を予防し、発症後もその進行を遅らせる極めて有力な方法である。T2DMの発症及び進行を遅らせるためには、先ず加齢と共に低下する基礎代謝量と生活形態から自ずと決まる適量栄養の摂取をめざすことが基本となる。過剰な栄養摂取を防ぐ為の食事制限は、先のノールウェイの調査研究を引くまでもなく大前提となる。その上で、主要三大栄養素のタンパク質(P)、脂肪(F)、炭水化物(C)をどのようにどれだけ摂取すべきかが問題となる。この問題はDMが歴史に刻まれて以来の問題で、今日に至ってもなお未解決の問題であり、本研究会の主要研究課題の一つでもある。
加藤 潔記
ヒトとデンプン食との関わりから見える2型糖尿病とその食事療法について
-人類とデンプン-
生物の歴史は、極論すれば如何に食料を得て個体の生存と世代交番による種の繁栄を図るかにあり、誕生以来常に食料獲得の闘いで、ヒトもその例外ではなかった。人類は、農耕の発明により、エネルギー源であり生体構成分子に炭素骨格を供給するブドウ糖の貯蔵態であるデンプンを安定的に生産する術を得た。これを基盤に文明を起こして更なる農業生産の拡大に成功したことが、人類に今日の繁栄をもたらした。自然環境に恵まれ肉食中心の食文化を発展させることができたヨーロッパでも、人口増を底辺で支えたのはデンプンである。
青木 慎悟記
青木慎悟(山梨学院短期大学 食物栄養科)
2012年12月から、灰本クリニックにて臨床研究を行っている青木といいます。初めましての方がほとんどだと思いますが、灰本先生が以前書かれた記事、「世間の糖質制限食の騒ぎが落ち着いてから本当の仕事が始まる」に出てきた“若い管理栄養士”というのが私のことです。普段は山梨の短大で働いているため、これまでデータの入力等を行う度に、甲府と春日井を往復する約4時間の小旅行を繰り返してきました。これから今回の記事を含めて全3回、ブログを書いていく予定です。それらの記事の中で、灰本先生らの研究グループと何ら繋がりがなかった駆け出し研究者の私が、どうして臨床研究を始めることになったのか、その経緯や、実際に行っている研究の内容、研究を通じて学んだことなどについて触れていきたいと思います。
灰本 元記
-その2 低迷期-
前回書いたように、私をして大腸カメラの技術習得とその後の追求に走らせた理由は、決して大腸内視鏡分野の専門家になりたかったわけではない。実際、今でも学会には所属していない。
灰本 元記
―その1 導入期―
ローカーボ(糖質制限食)の話ばかりだと疲れるので、今回はたわいのない無駄話に徹してみる。この研究会とは無縁の大腸カメラを題材にして私の技術習得体験を綴ってみた。
灰本 元記
週刊誌やテレビなどマスコミのローカーボ食(糖質制限食)の取り上げ方は、この一年間尋常ではなかったが、ようやくその喧噪が落ち着いてきた。その間、スウェーデンから大規模研究の発表があってアメリカの大規模研究と同じように、きびしく炭水化物(糖質)を制限すればするほど総死亡や心血管死が増えるという警鐘は医師レベルには比較的広く知られるようになった。ようやく、厳しい糖質制限食がバラ色ではないことがようやく世間に分かり始めている。