日本ローカーボ食研究会

日本ローカーボ食研究会

第9回学術総会のお知らせ

開催日時

日時:2019年3月10日(日) 10:30~ 16:30
場所:安保ホール (501号 A-B)
参加費:2,000円 
主催:NPO法人 日本ローカーボ食研究会

テーマ 「ローカーボ食の10年間と課題」

 ローカーボ研究会が発足して10年、特定非営利活動法人(NPO)を設立して9年が経ちました。その間にローカーボ(糖質制限食)を取り巻く環境は激変してしまい、当時白い目で見られていたこの食事療法も誰もが一度はその名前を聞いたことがあり、初診の糖尿病や肥満患者の多くがすでに始めているほど市民権を得ています。そして、厳しい糖質制限食を長く続けると健康を害すること(正確には癌死亡リスクが上がる)を正しい知識とは言えないまでも、かなりの人たちが知るようになりました。

 ところが、すでにローカーボを実施している患者さんはローカーボ食の基本中の基本である糖質を制限して脂質摂取を増やす、つまり高脂肪食(high-fat diet)と知っている人はほとんどいません。この食事療法が民間療養として広まったのであって、臨床研究に基づかない医師たちが本質を知らずに本を書いたり、マスコミで発言していることに原因があります。臨床研究に基づいた科学的なローカーボはまだ一般の皆さんには届いていないのが現状です。
NPO日本ローカーボ食研究会学術集会は今年で9回目となります。第7回、8回は肥満パラドックス、心不全の栄養管理をテーマとしました。これらは最新で重要なテーマとは言えますが、ローカーボからは少し外れていました。今回は原点にもどってテーマは「ローカーボ食10年間の変遷とこれからの課題」です。

 世界のローカーボ食研究は十年一日の如くローカーボ(糖質制限食あるいは高脂肪食)対カロリー制限食(高糖質食あるいは低脂肪食)の効果比較に拘束されており未だそこからなかなか抜け出られていません。それに対してわたしたちは指導法の開発に焦点を当て、どの食品由来の糖質を優先的に制限すれば血糖や体重・内臓脂肪を効率的に改善できるかを臨床研究の主要テーマとしてきました。一方、糖質摂取に関する大規模観察研究は最近の数年間にかなり進歩して、どのくらいのエネルギー糖質比(総カロリー、正確には総エネルギーに対する糖質の割合)がもっとも死亡リスクが低いかを明らかにしました。それは糖質比53%前後、一日の糖質摂取量200g前後という“すごくゆるやかな”糖質制限だったのです。

 わたしたちは糖質制限を相当ゆるめても、糖尿病や肥満に効果があるだけでではなく安全な糖質制限食の指導方法を開発しなければなりません。今年度の学術集会のテーマは、ローカーボ食を巡るわたしたちと世界の10年間の変遷と課題を基調講演として、各演題はインスリンや糖尿病薬を離脱するために短期間の厳しい糖質制限はやはり必要、管理栄養士が最も苦労する脂肪をたくさん食べてもらう指導、無駄な制限を避けるためのグラム単位の指導、その背景としてHbA1cの目標値。安全とういテーマで“人工甘味料”や“糖質制限食を行っている糖尿病からの発癌とその対処法”など近未来を予想する演題となっています。

 医師、管理栄養士、医療関係者だけでなく食品関連の皆様にも参加していただいて活発な議論をしたいと考えています。友人の方々もお誘いのうえ是非ご参加ください。

2019年1月吉日 NPO日本ローカーボ食研究会代表理事 灰本 元

プログラム

◆開会の挨拶 

NPO法人代表理事 灰本 元  (灰本クリニック 春日井市 内科)
テーマ:ローカーボ食の10年間と課題
 

◆午前の部 
司会:小早川 裕之(小早川医院 昭和区 内科)
   
〈特別講演〉ローカーボ食の10年間と課題 
NPO法人代表理事 灰本 元  (灰本クリニック 内科) 
 

◆午後の部   
〈症例検討 、パネルディスカッション〉

司会:前田惠子 (愛知淑徳大学 健康医療科学部 健康栄養学科 教授)

     加藤 仁 (じん薬局 薬局長 春日井)

① 「HbA1c目標値が緩和された背景」
  中村 了 (渡辺病院 知多郡 総合内科)

② 「意図しない厳しい糖質制限を防ぐために~食品管理からグラム管理へ~」
  森山 真衣 (小早川医院 昭和区 管理栄養士

③「“脂”を悪と信じている患者との格闘」
  渡邉 志帆 (灰本クリニック 管理栄養士)

④ 「人の味覚をだます人工甘味料 ~腸内細菌叢はだませない?~」 基礎研究から
     加藤 潔(名古屋大学名誉教授、細胞生理学)

⑤ 「人の味覚をだます人工甘味料~人工甘味料は万病の元~」 臨床研究から
     村元 秀行 (むらもとクリニック 千種区 内科)

⑥ 「警告!! 糖尿病のローカーボ治療中に癌が見つかる時」
  灰本 耕基 (灰本クリニック 内科)

⑦ 「抗インシュリン抗体のため血糖値不安定となり、ローカーボ食で30年来のインシュリンを離脱できた一例」インスリンを離脱できた症例 
  米田 正始 (医誠会病院 大阪 心臓血管外科)

全体ディスカッション 

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