日本ローカーボ食研究会

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第7回定期勉強会 印象記:梶の木内科医院 梶 尚志先生

「定期勉強会に参加して」 梶の木内科医院 梶 尚志

今回の定期勉強会の第1部は、ワークショップ形式で行われました。小早川先生からの症例提示が2例あり、それぞれのグループで、問題点や治療方針をグループでディスカッションし、最終的に全体討議をしていくというスタイルで行われました。各グループ内で活発な討議がなされ、それぞれの症例に対する様々なとらえ方と考え方を知ることができたことも、新たな学びにつながりましたし、グループでその患者様にとってベストな選択をしていくというひとつの目標を共有することは、まさしく本研究会の目的と合致するものではないでしょうか。こういった参加型の勉強会は、ローカーボ食にまだなじみのない先生方にとっても、とても良いロールプレイになるのではないかと感じ、今後のローカーボ食研究会の勉強会の一つのあり方を示唆するものではないかと思いました。また、演題名にもありましたように、糖質制限をすることで薬を減らすということは、患者様はもちろんのこと、昨今の医療経済を考えると、まさに、「世のため人のため」という「医療」の根幹に合致するものと感じます。
第2部からは、講義形式でしたが、まずは、さすが、岐阜ハートセンターの管理栄養士の先生の講義という感じで、問題提起から始まり、献立の実例へと、とても実践的で患者様の目線に立った充実した講義内容でした。実際に我々も含めて患者様も思い込んでいる脂質含有量のイメージからしますと、まさに「目からウロコ」の内容でした。また、脂質が苦手な患者様の立場に立った工夫が献立の随所に見られ、参加されていた管理栄養士の先生方やメディカルスタッフの皆様にとっても、明日から使える内容だったように思います。
最後は、当研究会代表の灰本先生の講義でした。灰本先生の講義は、エビデンスに基づく脂質摂取のススメを、大規模研究や灰本クリニックのデータを織り交ぜながら、いつものようにパワフルに行われました。これが、「民間療法との違いだ」ということを、参加者の皆様もしっかりと認識されたのではないかと思います。こういった、大規模研究のデータや、様々なエビデンスをしっかりと勉強し、エビデンスに基づく糖質制限をすることで、患者様との信頼関係も構築され、また、我々の自信にもつながっていくことと確信し、改めて、深い思いで学びました。ローカーボ食・糖質制限食は、世界の歴史の中では、最も古い、理屈に合った糖尿病の食事療法だったようですが、昨今の注目度に合わせて、今後もローカーボを裏付ける新たな論文や逆説的な意見も出てくることと思います。それらをしっかりと勉強し、さらなるローカーボ食・糖質制限食の進化を期待することとしましょう。

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