日本ローカーボ食研究会

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第6回定期勉強会 印象記:じん薬局 加藤 仁

糖質量の推定が面白い! 

じん薬局 薬剤師 加藤 仁

平成26年6月14日(土)にNPO日本ローカーボ食研究会定期勉強会が開催されました。当日は梅雨の小休止といった天気でどんよりと曇り蒸し暑い日でしたが、医師・管理栄養士・薬剤師の方々が集まりスモールグループディスカッション(SGD)形式で熱気のある議論が繰り広げられました。
今回の大きな目的は、「患者さんの食事日記から糖質量を推定してみる。」でその結果から治療方針、糖質制限食の指導方法、治療結果の予測など行うです。食事日記から糖質量をある程度推定する、しかも診察時間内でそれを行うためにはどのようにアプローチすればいいのかを医師・管理栄養士・薬剤師が各グループ一丸となって練習問題を解いていきました。医師や薬剤師は普段糖質量を推定することなどはなく初めての体験だったと思います。管理栄養士さんも普段はPCソフトを用いて計算しているためか思いのほか苦戦しているように見えました。各班が苦労していたのはやはり食品1つがどの程度の重さ(g)なのか?という所だったと思います。主婦や管理栄養士さんであればある程度食品のg数が予想できると思いますが、普段ほとんど料理などしない人(男性陣)にとってはそこが非常に捉えにくい所でした。バナナ1本が約100g、米飯普通盛1杯が約150gといった感じでまずその食品のg数をを考えなくてはいけません。しかし各班には管理栄養士さんが参加してくれているのでなんとかそこを乗り越え検討していけました。食品群の糖質量は表があるので何とかなりますが、やはり押さえておくべきポイントがありそこを知ることができただけでもこの研修は意義深いものでした。実際そのポイントを押さえた上で練習問題を解いてみると、PCソフトで正確に計算する値とそれほどかけ離れた値にはならないことを体感しました。このポイントが理解できていれば診療時間内や服薬指導時でも十分糖質量を把握でき、個々の患者さんにアドバイスができるようになります。「バナナを毎日1本食べるならそれをりんごやみかんにした方が10g~20gは糖質量が減らせるよ。」というような具合で具体的なアドバイスができるようになります。このような知識を身に付けることができる勉強会は今までありませんでした。まさに「あすから実践できる…!」です。やはりスモールグループディスカッション(SGD)形式の勉強会は楽しいですね。他業種の方々の生の声を聴くことができることは非常に有意義です。次回の9月に予定されている定期勉強会も楽しみです。
 今回の論文抄読は「2型糖尿病における高血糖管理、ADAとEASD共同声明」でした。毎回思いますが、英語論文を全文和訳し解説していただける機会は非常にありがたいことです。最近少しずつ英語論文を読むように勉強していますがアブストラクトだけでも慣れないと大変です。でも英語論文を読むことで最先端の知識に触れることができ大変有意義なことだと思います。ただ実際にはなかなか自分から英語論文を検索し読み込むということを実践している人は少ないと思います。だからこそこのような機会に英語論文に触れそれを参考に次の英語論文を探し読むことが重要だと感じました。和訳とポイント解説をしていただいているむらもとクリニックの村元先生には日常診療の合間での資料作成など大変お忙しいとは思いますがぜひ今後も続けていただきたいと思います。

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