日本ローカーボ食研究会

日本ローカーボ食研究会

第1回定期強会に参加して.6

 第1回定期勉強会に参加して  薬剤師 北澤 雄一

2011年10月29日に第1回勉強会が春日井市の公共施設であるレディヤンかすがいにて開催されました。私は本会の代表世話人を務められる灰本先生の近隣の薬局に勤めており、この度は薬剤師として勉強会に参加させて頂きました。

 前半は医師、管理栄養士、薬剤師で構成されるグループに分かれて灰本先生の提示された症例に対して、医師を中心に現病歴、身体所見、そして初診時の検査値などから治療方針を考えるグループディスカッションを行いました。糖尿病に対してローカーボ食はまず何食から始めるか、血糖降下剤はどうするか、又合併している高血圧に対してはどの薬剤を選択するかなど薬局薬剤師をしているとなかなか医師の処方の組み立てに参加する機会はないので、医師がどこに注目して、又どこを優先して治療を検討していくのかを身近で感じることができてとても勉強になりました。更にこうして職種を超えて議論することの意義や重要性を感じることもできました。

 後半は灰本先生と管理栄養士である篠壁先生の投稿された実際の英語論文の読み合わせを行いました。最近になって少しずつ触れる機会が出てきたものの、やはり英語論文を読むということは私にとってハードルの高いことであるのでこういう機会は非常に貴重な時間でした。しかも単語(特に動詞)の使い方の解説までして頂き、英語論文初心者の私にとって非常に有難いです。今後は出来るだけ日頃から英語論文に触れる機会を増やしていきたいと思っております。

 薬剤師である私がローカーボ食による治療の効果をまざまざと見せつけられるのは実際に処方から血糖降下剤が減らされる時です。そして何より患者自身の食事療法に対するモチベーションが非常に高いことには驚かされます。糖尿病治療に対して受動的ではなく能動的に向き合っていく姿は本来あるべき医療の形と言えるのではないでしょうか?それも灰本先生と管理栄養士である篠壁先生、堀先生の日頃尽力されている賜物だと思います。しかし、薬剤師として他の医療機関からの糖尿病患者を相手にすると食事に気を付けるように指導されているものの、その具体的な提示を受けていないために患者自身がもどかしく思っている姿も見受けられます。そのような方々に対してローカーボ食による治療はあらゆる可能性を秘めていると感じずにはいられません。

最後にローカーボ食による糖尿病治療の主役は医師と栄養士であると思いますが、だからといって我々薬剤師が知らない顔をする訳にはいきません。その内容、効果を十分に理解し、患者を取り巻く一医療スタッフとしてその役目を担っていく必要があると考えています。そういう意味でこのローカーボ研究会が更に発展していくのと同時にこの会に薬剤師の先生方も数多く参加されることを切望してやみません。
じん薬局 薬剤師 北澤 雄一

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