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2013年度版ローカーボ食取り扱い説明書

投稿日時: 2013/02/11 11:55:00

中村 了(渡辺病院、内科医)記

日本ローカーボ食研究会の学術集会も早や三回目となり、今回は、私はローカーボ食と脂質異常症に関する解説をすることとなった。

そもそも脂質代謝の詳細など、私にはもっとも苦手(不勉強)なところで、その準備に関しては、たいへん気が進まなかった。しかも脂質の治療というのは、臨床感覚からしてLDL-C(Low Density Lipoprotein-Cholesterol)を筆頭に思うようにコントロールできない患者も多い。そんなややこやしい分野を解説するのは、とても気が進まない。しかし、しかたがない。そこは開き直って、脂質代謝の詳細にはあまり踏み込まずに、ひたすら表面的な現象のみを追い求めてみることにした。

食わず嫌いというのはどうにもよろしくないもので、いざ勉強してみると、いろいろと面白いことがみえてきた。これまで、LDL-Cに関しては、太っている人にローカーボを指導すると割と低下傾向を示す一方で、やせている人では一向に低下しないどころか、かえって上昇することをしばしば経験していた。これは、おそらく太りやすい体質の人はローカーボ食に適していて、痩せ体質の人にはローカーボ食はあわないのだろう、くらいに思っていた。調べてみると、たしかに論文的には太っている人ではローカーボでLDL-Cを下げやすいが、痩せていると下げにくいという事実があり、私の臨床感覚のとおりだった。しかしながら、なんと同じ人ですら、体重によってローカーボ食に対する反応が変わってくるというデータがあることを知って、仰天した次第。体質だけの問題ではなく、その時々の体重(代謝?)の状況によってすらローカーボ食が脂質データに良くも悪くも影響するのである。

もう一点、驚くべきLDL-Cネタ。LDL-Cが同じ数値であっても、ローカーボ食とそうでない食事の場合では、ローカーボ食のときのほうが虚血性心疾患のリスクを下げるのではないか、というデータが数々示されていたのである。LDL-Cの中でも、sd-LDL(small dense-LDL)のように“超悪玉コレステロール”として知られているものもあるし、LDLをⅠ~Ⅳまで大きさによって分類して、小さなもの(Ⅲ、Ⅳ)は虚血性心疾患のリスクが高いといわれているようである。また、LDL-CにはパターンAとパターンBがあって、パターンBのほうが虚血性心疾患のリスクが高いのだそうだ。つまり、LDL-Cといっても均一なものではなく、人によって、あるいは、代謝の状況によって、その中身が変わってくるものらしい。ローカーボ食には、sd-LDLを少なくしたり、LDL ⅢやLDL Ⅳを少なくしたり、LDLパターンBの割合を下げる作用があるらしい。しかし、その効果も、いったん体重が減ってしまう(-5kg程度)と、むしろハイカーボの方が有効な場合が多くなるようで、なんとも難しい。(ハイカーボといっても、せいぜい54%程度のものであるが・・・)
そんなことがわかってきた。

準備は大変ではあったが、有意義でもあった。
準備さえ終わってしまえば、なんてことはない。研究会も3回目ともなると、こちらも平常。講師を務めると言っても、さほどの緊張感もない。粛々と当日を迎える。(とはいっても、直前まで発表スライドの内容を変更していたのだが・・・)

学術集会は盛会のうちに終わり、いろいろと新しい知見を得、また、現状を認識した。
①    炭水化物をエネルギー源とするのが、われわれの祖先から受け継いだ太古からの基本システム(ほぉ・・・そうなのかぁ・・・)

②    日本酒は、辛口のものでなくとも、意外と血糖値が上がらない!(こりゃ、都合がいい!)
③    しかし、アルコールの摂取過多は、その代謝のために炭水化物を要する(ふ~む・・・)
④    炭水化物が不足すると、血管内皮の修復が難しい(やはり、厳しいローカーボはダメだなあ・・・)
⑤    ローカーボ食の実践レベルは、糖質量の変化によって評価するのがもっとも妥当(なるほど。ただし、指導前後でのデータ取りは大変だ・・・)
⑥    体重コントロールは、永遠の課題!(ほんと、むずかしい・・・)

ポイントは、こんなところだっただろうか?

さて、これを元に、現状でのローカーボ食の取扱い説明書を考えると。。。 


1。厳しいローカーボ食は、劇薬です。

2。体重が多いときには特効薬です。(ただし、短期でのご利用にとどめてください)

3。体重がいったん減って(-5kg以上)もそのままローカーボをつづけると、逆に副作用(総死亡率の上昇など)が出ます。

4。その副作用を防ぐために、赤肉・加工肉を省いてマイルドにやっていただければ、長期に安心してご利用いただけます。

5。アルコールを飲んでもよろしいですが、無制限ではありませんので、自己責任で。


まあ、こんなところかなぁ?

さて、太るとローカーボ、痩せたら好きな炭水化物を食べてしまって・・・というのを繰り返している不良患者も多々いるけれども、これはじつは不良ではなく、意外と要領のよいローカーボ利用者と呼べるのかもしれない。

学術集会も終わり、やや甘口の日本酒を片手に、知多半島美浜の地で入手した干物をつまみつつ、そんなことを考えた。

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